鹿男

親愛なる同志たちへの鹿男のネタバレレビュー・内容・結末

親愛なる同志たちへ(2020年製作の映画)
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このレビューはネタバレを含みます

ソ連時代に生きる人の生々しい遣り取りが印象に残った。暴動が起こって「君がちゃんと見なかったからだ」と責任をなすりつけ合う市の委員、工場の責任者に全てを押し付けようとする市の共産党書記長、ソ連軍とKGBの対立、上層部の指示を待たないと動けない人達‥
デモ隊が銃撃される場面は、撃っている人が分からない演出のため、突然人が血を吹いて死んでいく。特にリューダが通っていた床屋から銃撃を移す場面は、現実が音楽に塗りつぶされるように感じられて恐ろしかった(床屋の女性が死ぬ様が壁で見えないので尚更)
リューダがスヴェッカを探す過程で、今までの党員としての生き方を捨てる葛藤に胸が詰まった。
スヴェッカが生きていたのはリューダにとって幸いだったが、あの後どのように生きたのか考えてしまう。KGBの意のままに動く存在となったのか、投獄されたのか、映画では示されていない。
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