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親愛なる同志たちへのnonchanのレビュー・感想・評価

親愛なる同志たちへ(2020年製作の映画)
3.7
1962年にソ連のノボチェルカッスクで実際に起こった残虐事件を題材にしたヒューマンドラマ。
ソ連崩壊後の1992年まで30年間、国家に隠蔽されて来た衝撃的な歴史の真実は、更に30年後の現在に映画として公開されるとは。
現在のロシアによるウクライナ侵攻の影響により、欧米の映画配給会社がロシア国内での公開を次々と中止するなか、このようなロシア映画を観られることは驚きでしかない。
正直なところ興味本位で観たけど、当時の庶民の生活や閉塞感を表現する為のモノクロ映像が、思った以上に重くダメージが大きかった。😓
国家による情報統制とプロパガンダが当然のように行われ、群衆を暴力的に鎮圧する様子が、現在のロシアのウクライナ侵攻と重なり胸が痛い。
祖国を信じた主人公が、非武装の市民の虐殺の現場に居合わせた事により知った残酷な真実。
「親愛なる同志たち」を武力で制圧する国家はもはや脅威でしかないが、現在のロシアのトップの暴走を止めるのは、やはりロシア国民しかいないと思った。

「親愛なる同志たち」なんて皮肉なタイトルか。
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