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ニューオーダーのsonozyのレビュー・感想・評価

ニューオーダー(2020年製作の映画)
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メキシコのミシェル・フランコ監督による、貧富格差がもたらすディストピア。
ヴェネツィア国際映画祭で審査員大賞を受賞。

緑のペンキ(メキシコの国旗の1色)が不気味な、嫌〜な予感のオープニング。
一転、マリアンヌ(メキシコの国旗の1色、赤いドレス)とアランの結婚パーティーに富裕層が集まっている。
街の暴徒に緑のペンキをかけられた女性が遅れてやってくると、不穏な空気が漂い始める。

突然、長く使用人をしていたローランドという老人がマリアンヌの母を訪ねてくる。
彼は妻エリサの多額な手術費用の援助を懇願。手持ちの金額をかき集めてくれたものの必要な金額には程遠く、見かねたマリアンヌは、クレジットカードで何とか対応してあげようと、メイドのマルタの息子クリスチャンを案内役に、邸宅を抜け出し、車でエリサの自宅へ向かう。
暴徒の反乱で道路は封鎖されており、途中暴徒に緑のペンキを車にかけられたものの、何とか到着し、エリサと対面出来たのだが・・

一方、パーティーで盛り上がっていた邸宅には暴徒が乱入し修羅場と化し・・

ステレオタイプな貧富格差表現
暴徒化した人々の破壊、略奪..
残虐な武装グループによる恐喝、拘束、暴行、虐殺..
悪魔の軍事独裁政権..
まったく救いのない展開に、不快感しか残らず。
(ウクライナの現実とも重なってしまい..)

メキシコの所得階層データを確認したところ、2020年の比率で、富裕層 0.8%、中間層 37.2%、低所得層 62%という想像を絶する貧困社会。
(酷い状況のメキシコだけでなく)世界はこれが現実になってもおかしくない状況だということを警告したかったのか、分かりませんが。
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