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ファイナル・プランのJIZEのレビュー・感想・評価

ファイナル・プラン(2020年製作の映画)
3.6
米国各地の金庫を爆破してきた銀行強盗の男が恋を機に過去の精算を決意した矢先に罠にはめられるその復讐劇が描かれる。まず"リーアム・ニーソン主演"という触れ込みから今回も、人智を超越する破壊的な内容を色褪せるコトなく大量に浴びせる。チカラと交渉術で根源の悪に鉄槌をくだす凄まじいアクロバットの連打。導入で主人公トムの金庫爆破の過去の経緯をほぼ語りで処理して、本題へ合流するシナリオのスマートさは、観やすく整備されている。また主人公が序盤でFBIに自白を決意するくだり以降のドッタンバッタン劇は、過去のリーアム映画とほぼ遜色はない。主人公の爆破処理のエキスパートの元海兵隊という役柄が、ある展開で活きるくだりは回収の仕方が丁寧。中盤からの話が転がりだして以降は半端シナリオが鬼ごっこ化してしまうため、ストーリーの大部分があってないような代物にちかい。FBI自体のイメージを損なう描写が幾つか散見されるのは内部管理の杜撰さが露わになっている。総じて最初から最後まで世界観そのものはあまり拡張せず、コンパクトに二転三転する凝縮された既定のお約束のニーソン映画であろう。
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