奔放な性観念をもつ若い娘（水島美奈子）が、淡白な性観念をもつ実直な青年と新婚生活を始める。新妻のエロバカ日誌を描いている、日活ロマンポルノ。

2人きりの新婚生活を始めた主人公夫婦が、「下半身ネタの大騒動を起こす→別の空き部屋に転居する」を反復させていくスタイル。宇能鴻一郎原作なので、水島美奈子がハツラツとした口調でエッチな一人称語りを披露してくれる。

下半身ネタでは、隣部屋の青年が寝床の壁に穴を開けて、ラッキーホールに興じるという展開がエロい。また、お尻が洗面台のシンクにハマってしまう展開は、ナンセンス・ギャグの王道とはいえ、演者からするとドエライ肉体労働であることがよく分かる。

性に奔放な人間とは、すなわちポジティブ・シンキングの究極体でもあるということ。宇能鴻一郎は、1980年のニューウェーブ型「あげまん」を先見性に満ちた視点で世に送り出している。

加藤彰×荒井晴彦×宇能鴻一郎とかいう濃ゆい取り合わせ。終始こってりした迷惑系エロコメディでアホらしすぎて胸焼けしそう（ほめてる）。水島美奈子のコメディエンヌっぷりが遺憾なく発揮。婚前交渉NGのマジメな童貞くんとお見合い、結婚は人生の墓場とか言ってたのにピュアな愛情にほだされて結婚、でもなんだかんだで深く愛し合ってる夫婦にほっこりしてとってもハートフル。墓場とは真逆な幸せ夫婦生活、２人の出会いからもう１回観たくなっちゃうやつ。

水島美奈子の宇能鴻一郎、イイ！押入れの穴から洗面台の排水溝からアパートの屋上のマシーン部屋までセット凝ってるし、ハプニングが全部ハマってるし、ほんと嬉しいくらいにくだらなくて心底楽しい。「わたしたち、上でもなく前でもなく、下を目指してるんです♪」ってセリフで終わるの爽やか。