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いとみちのyukiyoのネタバレレビュー・内容・結末

いとみち(2020年製作の映画)
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このレビューはネタバレを含みます


 オール青森ロケで公式に「県推奨」とあるので所謂地方映画の一種なのかも。全編津軽弁がふつうに使われるので途中から字幕で観ましたよ。
 一見するとありがちな女子高生の成長物語に違いはないけど、監督の情感を抑えた描写が一々素晴らしく、また猛特訓で三味線を弾けるまで覚えた主演の駒井蓮の演技(と演奏)も見事だった。
 要所で安易な展開(結末)を描かないのは主人公の孤独を否定せず、人生のゴールはここではなく(主人公含めた)皆それぞれの日々はこの先も続くのだと云う演出意図に感じられた。
 だからこそラストの演奏後のリアクションも、メイド喫茶の顛末も描く必要がなかったのだろう。 

 父と登った山の頂上から大きく手を振るいと(主人公)のその先には…、
 と云うエンディングが秀逸で、美しいつながりを観た。
 不意に登場する人間椅子(バンド)や、物静かな店長のキャラも印象に残る。

 本来ならスルーしてる類の作品でしたが、友人の薦めで観てよかった。現在の邦画の底力を感じられた。
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