女優陣の掛け合いが見所!!とは言い難い
ある老いた女性小説家の死因を巡るミステリー。
警察捜査するも自殺と判断され4年経過。彼女が死んだ家で当時その場に居合わせた近親者でもある文芸関係者5名が死者をしのぶ会を開催。
そこで、老作家は殺されたのではないのか?という疑念が持ち上がり、3日に渡り話し合われることになる。
演技達者な女優たちが火花をバチバチ散らす応酬をし合う、とばかり思い込んでいたのだがさにあらず。美味しそうな料理を食べながら和気あいあい。
多少緊張が高じる場面はあるものの総体的には穏当に会話がなされ、不思議な花の届け物の秘密もあっけなく解消し、「私たち皆が彼女を殺したようなもの」という八方丸く納まり的な落ちに収束され、皆またの再会を約束し帰途に就く。しかし、真実は・・・
その真実も取り立てて驚きをもたらすものではなく、近親愛に満ちていると言えばそう言えるし、馬鹿げていると言えばそうとも言える、個人的には「こんな命のなくし方をしては無念さばかりが残ってしまうに違いない」と思えるやり方。
実際、無念の霊として家を彷徨っていると解釈できるような映像もある。
総じての感想は「ミステリー謎解きはショボショボ、女優陣の掛け合い応酬はチョボチョボ」という程度で到底満足はできない内容。
雰囲気的にゆるゆるで〝第二の何か”が起きそうな緊迫感など皆無。それらしき〝毒入りパスタ缶詰事件”も本当に毒なのか、何のためのエピソードなのかうやむやなまま。
右肩が上がらないはずの老小説家が、思いっきり右肩を挙げて〝水”シャワーを浴びるなど間抜け場面もあり。
その締まりのなさの元凶は実に監督自身にあることが特典インタビューにて判明。
何かのんびりしたような印象の方で、理詰めで厳しくというより感性とノリで撮影を進めるような雰囲気を感じましたね(それが吉と出る場合もあり)。
総評二つ星
残された皆が老作家が望んだような良い小説を書き、良き編集がなされますように・・
002007