豚肉丸

ノイズが言うにはの豚肉丸のレビュー・感想・評価

ノイズが言うには(2010年製作の映画)
4.4
自分がレズビアンであることを家族に告白するドキュメンタリー

上記の情報だけで本編を鑑賞したら、確かにその通りの内容ではあるのだが全然違う内容で驚いた。
自分がレズビアンであることを家族に告白した映画監督が、その様子を再び家族に演じてもらい、その様子を映画にし、さらにはその映画を作っている様子を撮影した多重構造のドキュメンタリー映画であった。
しかし描かれることはとてもストレートで単純明快。その為複雑さは感じず、監督の描きたいことがスっと心に入ってきた。

同性愛者であることを告白し母に「気持ち悪い」と言われた様子を反復し演じてもらい、その場面をカメラに収める。言葉の攻撃で傷つけられた監督は、撮ることによって母を傷つけるのが凄い。カメラが持つ暴力性を用いて母に反省を促させる、言わばとんでもないホームムービー。これを実行に移した監督の行動力が凄まじい。

カメラが持つ暴力性に監督自身が向き合った続編的な映画『あの優しさへ』もいずれ見たい。
豚肉丸

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