王冠と霜月いつか

シャザム!~神々の怒り〜の王冠と霜月いつかのネタバレレビュー・内容・結末

シャザム!~神々の怒り〜(2023年製作の映画)
4.5

このレビューはネタバレを含みます

『ワイルドスピードを全作観てわかった。最も大切なのは、「家族」だ!』

※吹替版、シャザム1作目を配信で再鑑賞、そして字幕版と鑑賞してのレビューです。2023年になってから、初のおかわり作品でしたね。所々1作目のネタもバレます。ご了承下さい。


OP~第壱幕
博物館に現れる謎のコスプレ二人組。アトラスの三人の娘の内の二人、ヘレン・ミレン/ヘスペラ、ルーシー・リュー/カリプソが博物館を襲撃、1作目で、ビリーに力を授けた魔術師の杖を奪い返しに現れ館内をカオスの渦に巻き込みます。ビリーがあの杖を折ったのがそもそものそもそもなんですけど(笑)
三人目の娘アンヘラは後程フレディの前に現れますが、ギリシア神話の神の娘が、白人だけでなく、アジア系ヒスパニック系なキャスティングはわかりやすくポリコレってますね。
 アン役のレイチェル・ゼグラーは、ウエストサイドストーリーの彼女ですね。
 時同じくして、ビリーが、変身してカウンセリングを受けているシーンの詐欺師症候群/インポスター症候群は、周りからは一定の評価を受けているのに、自分自身を過小評価してしまう心理傾向、自己不信感の表れ。ビリーは、母親に捨てられたトラウマが完全には癒えていなくて、これを解消して自己肯定感をあげるのが、今作のビリーのドラマ上の欲求という事ですよと示されます。フレディが盗聴している警察無線で知った橋の崩落事故からフィラデルフィアの市民を救うteamシャザム。それでも、崩落は防げなかったので、“フィラデルフィアの恥”の汚名は拭い去れない。その後の“永遠の岩”の中でミーティング(笑)、ビリーは義兄弟達ともより深くコミュニケーションを取りたいしチームの結束を強めて、汚名も返上したいと思っているけれど、過干渉、拘束、ウザい?扱い。アクションとリアクション、難しいです。コミュニケーション(笑)
学校にアンが転校生として現れてフレディと知り合って、恋は盲目状態のフレディと様子を探るアン、二人の元に、姉二人が現れて、魔術師に直させた杖で、フレディの力と身柄を奪い、助けに駆け付けたビリーもヘスペラの結界ドームの能力でフィラデルフィアの街ごと閉じ込められてしまう所で本格的に戦いが始まります。

第弐幕
神の娘達の目的は
①能力の復活
②黄金の林檎の種の奪取からの神々の世界の再興。
一方ビリー達は、フレディを取り戻す為の作戦会議、敵を知り己を知れば…なんとやらで、魔術の世界のSiriとも云えるスティーブに助言を求め神々対策を練ります。自立して聞いた事に文章で答えるという魔法のペン・スティーブ。魔法の羊皮紙にスティーブがビリー達の会話を全て記入し、フレディを取り戻す為に交渉を持ちかける。ナイトの称号も持ってる名女優ヘレン・ミレンをキャスティングする処、彼女もオファー受ける処が良いですね。

…今作で何度か使われたのが、よくある手法だと思うんですが、会話シーンでの台詞の反復や、キャラクター名を間違えて言うでしたね。
スーパーパワーを使わないで、アンを救ったフレディ、
神の力を奪われてもフレディを救おうとするアン。
・あなた自身がパワー
・フレディの名前を覚えない魔術師。
 それと、ビリーとフレディ以外の里子兄弟姉妹達にもきちんと活躍の場を与えてキャスティングを余らせないのも上手だと思います。アフリカ系の眼鏡っ子ダーラのユニコーンを手懐ける件ですとか。
また、シャザム史上(といっても2作だけですが…)初の試み、一番年上のお姉さんメアリーが、変身前と変身後、同じ女優さんが演じている点。1作目では、変身後は別の女優さんが演じてましたが、今作からは両方とも、グレース・フルトン(別名義キャロライン・カーリー)さんです。とても魅力的なので、私がキャスティング担当でもそうすると思います。もし、また、高いテレビ塔のてっぺんから降りられなくなっても、変身すれば大丈夫ですね。

フィリーズの本拠地のシチズンズバンクパークに植えられた生命の樹から産まれる神話系クリーチャーのデザインも良かったです。

そして、最終決戦に向かう際に、里親のローザに別れを言うシーンで思わず涙してしまいました。1作目の時は、ビリーは食事の際に皆と手を合わせないで、最後にやっと合わせるんですけど。今作でも、橋の崩落事故の救出に行く際に、兄弟姉妹達は、里親に向かって、
「行って来ます、お母さん」
というんですけど、ビリーだけは、ローザとファーストネームで呼ぶんです。でも、このシーンで変身前に戻ってハグして、励まされた後は、きちんと
『行って来ます、お母さん』
と言ってから変身して向かうんです。

第参幕
 ラドンに乗るカリプソに追い詰められて絶体絶命のフレディとアンの所に駆けつけるビリー。杖をオーバーロードさせて、カリプソを倒し、そして、キリスト教圏のヒーローが必ず通る道、1度死んで復活というのも経験して完璧なクライマックスでした。1作目のスーパーマンと同じで、ホンモノは、また出ないだろう?というフリもあったのに、ワンダー・ウーマン/ガル・ガドットが出てくれたのも最高でした。

1作目のDr.シヴァナの家庭もそうだったんですが、今回の神の娘達も、一枚岩ではなく三人がバラバラでしたね。もし、三人が協力して彼等に向かって来ていたら勝ち目はなかったと思います。

そう一番大切なのは「家族」なんですね。

最後にビリーが気にしていたヒーローネームも魔術師から正式に伝えられました。まあ、ですよねって感じですが…彼処で、キャプテン・マーベルとか言われても困りますもん。

SHAZAM!!