ベルベー

ザ・フラッシュのベルベーのネタバレレビュー・内容・結末

ザ・フラッシュ(2023年製作の映画)
2.3

このレビューはネタバレを含みます

こんなおんなじことばっかりやってるからどんどん縮小再生産になるし過去にばかり頼っているから今を生きる俳優達にストライキされんじゃねえぞとハリウッドアメコミ映画界隈に呆れてしまいましたよ「ザ・フラッシュ」。それなりに気合い入れて作ってるのは分かるし、最後の最後まで超カメオスター控えているのはサービス心故と分かるし実際流石にあのスター登場はテンション上がったけど、根本的に面白くないんだよな話が。

主演のエズラ・ミラーに公開が危ぶまれるほどの問題が起こりまくったのは不憫だけど。よりにもよって今回2人のエズラ・ミラーが出突っ張りだし。最後3人になるし。

その過去バリーのテンションがウザくて観ていてちょっとストレスという。エズラ・ミラー本人関係なく。というか元のバリーもウザい…どころか、結局コイツが諸悪の根源で色々思ってたより最悪だった、過去バリー超被害者というのが最後にハッキリしちゃうので。バリーに好感持ちようがないんだよな。エズラ・ミラー関係なく!

せっかく完璧なキャスティングだったサッシャ・カジェのスーパーガールの出番が物足りないのも残念。そりゃ全体のプロットからしたらこれくらいの出番が適度なんだろうけど…そのサッシャ・カジェが、主演のエズラ・ミラーよりバットマン復帰のマイケル・キートンより目立ってしまったのも本作ついてない。ついてないというか、作品をベストなバランスで見せられなかったアンディ・ムスキエティ監督の責任か。

アンディ・ムスキエティ監督、とにかく取捨選択が下手で作品が間延びするのは「IT」二部作でよく分かっていて。でも向こうは群像劇として物語とキャラが立っていたから良かったんだけど、今回キャラの掘り方がとにかくダメ。折角出てきたキートン版ブルースの掘られなさたるや。この程度の出番で死なれても…過去作を思い返して、あのブルースが死んだと思って泣いてくれというなら観客頼りすぎない?そもそもこの惨状、誰のせいだっけとも思っちゃうし。

「スパイダーマンNWH」のピーターだってやらかしてたけどあっちはヘイトが向かないよう調整されてたぞ…そもそも「スパイダーマンNWH」とほぼ同じことやってるのもなあ。製作のタイミング的には一概にパクったとかでもないんだろうけど。公開延期を繰り返してこのタイミングなので、やっぱり運もないよな本作。

なんかわざわざ今観るべきものがなかった。テーマ的にもキャラ的にも。今更ゾッド将軍とか言われても…このヴィランリサイクル、なんとかならないんだろうか。後半予算尽きてきたライダーの怪人使い回しじゃないんだから。強いて言えばアクションは最近予算の限界が見え隠れするMCUよりちょっとリッチだったけど。強いて言えば。でも肝心のマルチバース描写がスーパーマンの顔含めアレだったので無念だ。バランス悪いんだよ監督…。

で、そのマルチバース周りの話。アメコミとか「SW」とかその他ブロックバスターがこれだけアーカイブの再現にこだわって、なまじCGやらAIで再現できちゃってたらそりゃ俳優達は「俺達の仕事奪われてない?」と不信感抱くよなって(本作の再現度自体は上記の通りイマイチなのが哀しい、ニコラス・ケイジなんて本人撮ったのにオールCGにしか見えなかったもん)。過去の再現にばかり執着してハリウッドもオトナ帝国みたいになってんな。日本国だけじゃないらしいこの病。

で、その再現したい元ネタについても…ごめんなさい、オタク以外からしたら「知らんがな」じゃないでしょうか。ニコラス・ケイジのスーパーマンなんて特に。私はクルーニー登場に盛り上がったけど、全然知らん人からしたら「なんでいきなりジョージ・クルーニー??」ってなるよね。でもそれ、知らん人のせいか?小ネタ以外で楽しめる作りになってたら、本筋が面白かったらそこまで気にならないけど。本作は本筋が面白くないので気になっちゃいました!

この続きがちゃんと作られるかも果てしなく怪しいし、クルーニーサプライズもほぼほぼ本作限りの出オチだろうし、なんか次に期待できないという意味でも全然心が輝きませんでした。結論。
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