ベイビー・ブローカーのモウトクのネタバレレビュー・内容・結末

劇場にて字幕版で視聴。赤ちゃんポストに捨てられた赤ちゃんを盗んで人に売るブローカー達とそれを追う人々を描いたロードムービーのヒューマンドラマです。

キャストそれぞれのキャラクターが色濃く描かれ、とても印象深い作品となりました。それぞれのキャストの視点で色々と考えてしまいます。その中でも監督が特に強い思い入れがあってキャスティングしたと言われているソン・ガンホさん演じるサンヒョンのキャラクターは物語の重要な部分を担う役だったと思います。特に物語のラストでのサンヒョンの選択は、後で色々考えながらスタッフロール中に涙してしまいました。ヤクザに追われていた赤ちゃんと母親を守るためにそのヤクザを殺害し、自分が追われることで家族を守るという選択をしたサンヒョンは、まさに父親であり家長の姿だったように思います。実に悲しいラストでした。

この映画を是枝監督は韓国で撮影するという選択をしたわけですが、日本で撮らなかったのはより儒教的な精神の強い国で撮りたかったからでしょうか。ソン・ガンホさんをキャスティングしたいということが前提だとしたら韓国での撮影も仕方ないのですが、日本版も撮ってほしいなと思いました。キャスティングするとしたらサンヒョン役は佐藤二郎さんで是非お願いします。