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ベイビー・ブローカーのnonchanのレビュー・感想・評価

ベイビー・ブローカー(2022年製作の映画)
3.6
「そして父になる」「万引き家族」の是枝裕和監督のオリジナル脚本で、ソン・ガンホ、カン・ドンウォン、ペ・ドゥナと韓国を代表する俳優たちが出演した是枝監督初の韓国映画。

ベイビーボックスに置かれた赤ちゃんを、こっそり売買しようとするブローカーと、子どもを手放そうとしながらも揺れる若い母親、そしてブローカーを現行犯逮捕しようと執拗に追う刑事たちの旅の物語。
養父母探しという目的の為に、赤の他人だった彼らが同じ乗り物に乗り時間を共有する事で、それぞれが抱える事情が明らかになり、少しずつ絆を強めて行く。
命の価値、親子の絆、擬似親子と是枝監督が追求してきたテーマが込められた物語は、是枝監督らしい味付けだった。

しかし、豪華キャストを揃えたのに、見せ場というか盛り上がりが少な目で、今まで観た韓国映画に比べると物足りなく感じたのは私だけか。

ソン・ガンホがカンヌ映画祭で韓国人初の男優賞を受賞し、公開前から話題になった作品にも関わらず、韓国での観客動員数は126万人。
損益分岐点はクリアしたけど、全く残念な結果だった。😓
ストレートに感情をぶつけ合う韓国では、叙情的な是枝監督の作風に賛否両論あって、こういう身近に潜む闇をテーマにした作品はウケないみたい。
これを機会に映画界でも日韓の交流がより一層進み、韓国映画の公開が韓国公開後間を置かなくなるようにーと願っていたのだけど。
(今作は韓国公開後16日とかなり早い。「モガディシュ」は韓国公開1年後だから、異例の早さ。😅)

ちなみに、日本での興行収入は7.8億円。
是枝監督作品の「万引き家族」(2018)は45.5億円、「そして父になる」(2013)は32億円だから、日本でも厳しい結果かな。😓
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