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Nimic(原題)のomuのネタバレレビュー・内容・結末

Nimic(原題)(2019年製作の映画)
5.0

このレビューはネタバレを含みます

ヨルゴス・ランティモス監督の作品を最初見た時、眠くなった。すべての作品で登場人物の思惑を読み取ることができないからだ。

しかしずっと統一している事を理解すれば作品を楽しめる。それは登場人物が「何かをしなければいけない」のだ。
「籠の中の乙女」
→家から出てはいけない/出なくてはいけない
「ロブスター」
→結婚しなければいけない
「聖なる鹿殺し」
→家族から生け贄を選ばなければいけない
「女王陛下のお気に入り」
→女王に気に入られなければいけない

本作は「自分の立場を確保しなければいけない」のかなと思った。現代社会は代わりがいくらでもいる。ジェンダーが寛容になって女性も父親になりうる。マイノリティーや弱者も大切にしなければいけないので、下手な演奏でも(仕事ができなくても)受け入れられる。

この男性は常に「自分の代わりがいて立場が揺らぐのに怯えている」。時代の波に押され怯えている『現代の男性そのもの』を描いているのか?
ラストが黒人の若者なのも...
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