リョウ

ヒトラーに盗られたうさぎのリョウのレビュー・感想・評価

ヒトラーに盗られたうさぎ(2019年製作の映画)
3.0
いったい1年に何本ホロコースト映画がつくられているかわからないがその中でもかなりポジティブな映画で暗い描写がかなり少なかった。
それもそうか、美人で頭のいいお母さんに少し皮肉まじりなクールでハンサムな兄貴。
そして主人公のアンナはどこか幼い頃のクロエちゃん(=グレースモレッツ)と似た面影を持つ。少しワガママだけで父親と母親とメイドの愛情にたっぷりと囲まれて育てられた明るい性格の9歳の女の子だ。
この兄弟がともかく良い子の鏡のような子供達。自分達の言い分はしっかり強調するも何だかんだ言って両親のいいつけはしっかりと守るし学業も優秀。
反ヒトラーの活動家(なのかな?)の父親を持つが為にスイスにフランスに、果てはイギリスへと亡命生活を続けるも決して下を向かず前向きに新しい生活に適応していく姿にはもう頭が上がらない。。。
そして父親と母親も家族が一緒にいることが大事だとわかっていて子供達へ精一杯の愛情を持って接している。しかもヒトラーが選挙に勝つ前に亡命するという先見の明にたけた人達だ。
こんな力強い家族を前にしてはもう何者も立ち向かえないだろう。多少の苦労とか意地悪な人も出てくるが全然インパクトがない。
そのせいかストーリーに起伏があまりなく結局3回寝てしまった。。。
起きたらフランスでアンナは作文のコンクールで優勝してるし(1年前はフランス語全く話せなかったのに)兄貴は数学で1番の成績を修めるという。
せっかく馴染んだフランスを離れる船の上でも英語を話す子供達を見て一言。
「英語なんてなんにもわかんないや。またイチからやり直しだな」
とこんなクールな台詞を残している子供達。
エンドロールで知ったのだが実話でありアンナは後に有名な絵本作家になったとか。兄貴ももちろんとても立派な肩書きをお持ちです。
いやはや何と素晴らしい家族を見てしまったことか!拍手!!
リョウ

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