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日本のジャケが酷過ぎ問題。
日本のジャケはお尻丸出しでエロ映画として売ろうとしてるんだけど、本当は真面目な映画だって事は強調しておきたい(まぁ、このジャケじゃなかったら僕は観なかっただろうけど)。エロは冒頭におっぱいとパンツ、中盤に全裸が一瞬映るだけで、物語上の必要最低限に抑えてる。
ポルノとかじゃなくてドラマ。ちゃんとした映画です。
1958年、戦後ドイツ最大のスキャンダルと言われ、政財界を揺るがせたのローズマリー・ニトリビットを描いた実話が元の映画。
養子のローズマリーは幸せになりたかった。彼女はその美貌を使い、金持ちの男を虜にしてお金を手に入れて行く。が、その金持ち、資本家達の男社会はルールが多く、それを押し付けられて自由が無い。仕事ばかりでロクに相手にもしてもらえない。そこで彼女が自分に本当に必要だったものは金よりも愛だったと気付き、それを求めるのだが…
日本のジャケにはお尻にタイトル『スキャンダラス・クライム』、コピーに「目的は、地位と金。武器は身体。」ってあるんだけど、1番良いのは笑顔のローズマリーのアップだと思う。そこに『スキャンダラス・クライム』、「目的は、地位と金。武器は身体。」ってあったら「女が体を武器に男を利用しまくる話!?」って、それで充分に内容が伝わるのに。何であんなジャケなのか…
最初、観てて「トンデモナイ女だ…」って思ってたけど、実はどこか純粋無垢な乙女な部分があって、幸せになりたい、自由になりたいって欲望があるって事が分かって来る。
自由を感じている時が1番楽しそう。車に乗って、思いっきり飛ばしてる時。あの時が1番楽しそう。
ローズマリーを演じたのはニーナ・ホスで、デイジー・リドリーに似てる女優さんで、美人な上に笑顔が素敵。
「愛」を目の前に見て涙するシーンがあったりとかも凄く良い。
ラストは凄く悲しくて、僕は多分これまでに悪くしてしまった人にお詫びのダンスをした後、彼の元に帰ろうとしたのか、また1から人生をやり直そうとしようとしたのかと思う。
男の性欲を発散する為の映画では全く無くて、しっかりとした内面描写があって出来も良いし傑作。