月日の経つのは早いもの。
定年退職後に、やっと夫婦の家を持つ。
転勤族の夫と共に、あちこちへ引っ越しをしてきた妻。
ゆっくりと落ち着ける家を持つことが夢だった。
そんな幸せも束の間、妻が脳梗塞で倒れる。
安泰の時間は一瞬で過ぎる。
人生とは、いつも苦難が着いてくる。
それを厄介と捉えるか、成長の糧と考えるかで、人生の楽しみも違ってくる。
いつしか物も要らなくなる。
出会いがあれば、別れもある。
思い出とも離れる時は訪れる。
その日が来るまで感謝の気持ち抱きつつ、静かに幕を閉じていく。
最後まで寄り添うとは、そう言うことなのだろう。