松井の天井直撃ホームラン

手のひらの幸せの松井の天井直撃ホームランのレビュー・感想・評価

手のひらの幸せ(2009年製作の映画)
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☆☆☆

布施明原作の絵本は知らないが、登場人物に悪人は1人も登場しない。だから、昔は誰もが貧しくて飢えていたあの頃の記憶が甦る。
兄弟2人で“希望”を求めて彷徨い、ほんの僅かの時間の間だけ両手に抱えた《幸せ》に、逆に戸惑う。

前半は如何にも古臭い作風に、「何だよこれ!」的な感想を持つのですが、映画を観て行くに従い、この兄弟の話に少しずつ入り込んで行く。
そんな前半部分を我慢して観て行くと、一転して後半の兄弟2人での逃亡劇には、心にじわじわと染み入る様に泣かせる演出になっている。
日本の原風景と相まって、作品を支える核の部分です。

これぞ!日本映画らしい日本映画と言えるでしょうか。この手の日本映画が好きな者としては、ついつい甘くなってしまいます(苦笑)

(2010年2月4日スバル座)