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カムバック・トゥ・ハリウッド!!のHALのレビュー・感想・評価

3.1
名だたる名優を起用したとてもリッチで贅沢なコメディ映画でした。
西部劇の元映画スター、ゲスなプロデューサー、ギャングの出資者、それぞれのおじいちゃん達が様々な思惑の中で、かつて失われた西部劇黄金期の情熱と輝きを取り戻すという筋書きです。
時代背景を鑑みて、その御三方が当時のハリウッド映画に現場を知ってるという意味合いもあってキャスティングを行ったのかは分かりかねますが、作中ではワンス・アポン・ア・タイム・イン・ハリウッドのような史実を交えた作りにはなっていないので、そこまで深入りして考える必要は無い気はしました。
シリアスなシーンもありますが、基本はコメディーで、8割近くは良い意味でおバカで下品なネタのオンパレードです。ツボにハマるときもあれば少し引いちゃうくらいのネタもあり、それ目的で観ないと肩透かしを食らうレベルかもしれません。
冒頭で映画作りに大切な要素は「奇跡だ」みたいなニュアンスで言っていたシーンがありましたが、まさしく起こる事が奇跡の連続で、爆風に巻き込まれても怪我を殆どしないとか、ここまでくると人間長生きするもんだなあと思わされてしまいました。
主演の御三方は貫禄と味は十分に出ており、特にロバート・デ・ニーロは相変わらず台詞回しが達者でグランパウォーズ同様、年を感じさせません。
令和の時代に入ってまさかこの組み合わせで観れたのは本当貴重な体験でしたが、正直それ以外の要素で演者全員の魅力を最大限に引き出せた作品かというと疑問が残りました。御三方それぞれの次回作にも期待したいところです。
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