うかりシネマ

65/シックスティ・ファイブのうかりシネマのネタバレレビュー・内容・結末

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このレビューはネタバレを含みます

6500万年前、宇宙を航行する探査船が小惑星群に衝突する。乗組員のミルズが墜落したのは白亜紀の地球だった。
恐竜が闊歩する世界で山頂に落ちた脱出艇を目指す、という単純なストーリーながら、後半は恐竜の影が薄れ、サバイバル要素がメインになってしまう。

恐竜はそこまで種類も出てこず、それぞれが独自の生態系で襲ってくるわけでもなく、どの恐竜も「巨大なトカゲ」くらいの感じ。ケツァルコアトルスが出てくるが、空を飛ばす予算がないのかミルズのことを襲ってはくれない。超文明の設定のせいで、ティラノサウルスも最大の脅威ではなくただ大きいだけ。

自然に阻まれるサバイバルのシーンが長尺であり、90分の上映時間なのに無駄なシーンが多いと感じてしまう。
隕石で絶滅するクライマックスも、絵面に特に変化がないのでタイムリミット感がなく、これまでの延長線でしかない。小惑星群、恐竜、地形、隕石、と恐怖の対象が更新されるとかならよかったかもしれないが……。
超文明の宇宙人という設定は、恐竜と無関係のサバイバルを省略したり、現代人や未来人(地球人)のタイムスリップと違い恐竜を“未知”として描けており、悪くはなかった。

低予算B級映画なら“お楽しみ”感で観客を喜ばせるべきなのに、恐竜を出せない時間を虚無で埋めるだけで、サービス精神が見られない。素材を活かしきる気力が感じられなかった。