金春ハリネズミ

ポプランの金春ハリネズミのレビュー・感想・評価

ポプラン(2022年製作の映画)
3.1
んーん?
上田監督どうした??

ちょっとびっくりしてます。
俺が過剰に期待し過ぎたとかじゃないと思うんすけど。
どうしました?上田さん。

これでいけると思ったんでしょうか。
これで、観客の心動かせると思ったんでしょうか。

んー。

かなり苦悩した印象を覚えます。
この映画。
アイデアは良いと思うんです。
掴みもスムーズで見やすい。

ただ、本作は上田さんお得意の人物の書き込み、お話の演出力が、分散に分散を重ねて散り散りになってる。
尚ミスリード演出は今回封印です。

特に主人公の書き込みに凄いブレを感じます。
ポプランを軸にしたいのか、いつの日か失ってしまった大切なものを取り戻す話を軸にしたいのか。
両面を繋ぎ合わせることが本作では最も素敵な顛末なんだけど。
はっきり言って上手くいってないように思えて仕方がない。

人情譚で観れば単にポプランの存在がノイズ極まりないし、ポプラン追走譚で観るなら各パートの再会シーンが足引っ張ってる。

ポプラン一つにしたって、それを失うことがどれほど不味いことなのかについての重要性は、失ってしまったロン毛の兄ちゃんからイマイチ受け取れなかったし、作品全体でも重要性というよりは飛び道具的取り合いが目立ってる。
ポプランを失うことが、単に用を足せない役割にしかなり得てない。

それからせめて、主人公の口から一度でもいいから「大切なものを取り返しに来た」と、「ごめんなさい」みたいな台詞が欲しかった。
ベッタベタの言葉だけど、本作では開き直ってそれが重要な核じゃないの。

この人は、スカイフィッシュを取りに来た訳じゃないんでしょ?
どうして大事な人にさえいつまでもそんなつまらない見栄張り続けてるのよこの男は。
何か訳があってそうしているならまだしも、全然それらに関しては説明がない。
そんなんで、この人が成長したって、どう感じろって言うのよ。え?
シャイでわがままで自己中で薄っぺらい人間って。
そう描きたかった訳じゃないでしょ?

全てが薄味で、如何にも、汚れのない若き頃の魂を〜みたいな、大人だけが気持ちいい世界線をあしらって。
オ〇ニーしてんじゃねえよって。

奥さんとの再会パートは、本当にあれでよかったんでしょうか?
この男は、どこがどう変化したんですか?
この人は漫画が本当に好きなんですか?

全然心にきませんでした。
というか、製作陣のこの映画にかける熱意が、画面から全然見えてこなかった。
下手な映像学専攻の学生さんが作った自主映画と肩並べるんじゃないでしょうか。
すみません。

良いとこもあるんです。
けどそう思いました。

冒頭のあるシーンを振りにして、
ラストに勃〇するという展開はなしでしょうか、。
もしくは、どこか話のターニングポイントに、勃〇するポプランを感じとるみたいな展開期待してしまった。。
「心の勃〇」はどこへいったんでしょう。

上田監督は、馬鹿にされてでも頑張り続ける人を軸にした話の方が合ってるのかもですね。バイアスが全然違うと思います。

めちゃくちゃ辛口で生意気なこと並べましたが、次作あれば必ず観に行きます。
まじで応援しているので。