あくとる

キャッシュトラックのあくとるのレビュー・感想・評価

キャッシュトラック(2021年製作の映画)
3.5
『ジェントルメン』も記憶に新しいガイ・リッチー監督がジェイソン・ステイサムと組んだ新作クライム・サスペンス。
いつも"男の世界"を描いてきた監督。
だが、今回はいつもの"軽妙洒脱"さは無く、ひたすらに"無骨"で"ハードボイルド"。
いつも以上に男臭い作品。

前半は"舐めてた相手が殺人マシーンでした"ものの色が濃く、中盤以降はスリリングなギャング物・ケイパー物に。
混乱させずに時系列を入れ換えて事件の全貌を見せていくのはさすがの手腕。
マッチョな男社会独特のキツめのカマし会話も自然で面白い。

主人公Hはジェイソン・ステイサムに相応しい最強の戦闘スキルを持つ男。
一切の無駄が無い射撃スキルが只者でないプロっぽさを感じさせ、観ていてテンションが上がった。

ただ、ひたすら同じような味付けが続くので正直胃もたれしてしまった。
ジャンル映画としてのクオリティはとても高いが、新鮮味に欠ける。
全貌が見えてくるのも少し早い。
また、同様に音楽も"ドーン"という重低音と弦楽器がずっと鳴っているのもしつこく感じる要因。