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キャッシュトラックのHULのネタバレレビュー・内容・結末

キャッシュトラック(2021年製作の映画)
3.9

このレビューはネタバレを含みます

なかなか凝った主人公設定で面白かった。
冒頭のシーンで、現金輸送車の一角だけを延々映して事件を描写するのもお洒落な感じ。
本筋が始まり、現金輸送会社に入ってきたミステリアスな男(=主人公)は、射撃などのスキルが合格ラインすれすれ…… と思いきや、じつは腕利きだったというツカミ。
強盗に対して容赦なく反撃し、悠然と詰め寄りながら皆殺しにする様はかなりかっこいい。
これは特殊任務をしにきたエージェントかなにかなのかかと思いきや、強盗団のボスで、しかも事件に巻き込まれ殺された息子の復讐が目的だった、というのが中盤過ぎになってわかってくる。
こうなると、ミステリアスだった男の行動も一本筋のつながった動機に見えてきてストーリーも加速していく。
ただし終盤は、主人公的には受け身でクライマックスに入るので、行き当たりばったりでハメてやった感が乏しいし、ちょっと親しくなった仲間も結構無意味に死んでいくので盛り上がりは気持ちよくない。
ラストの敵も、憎たらしくはあるのだが、棚ぼたでひとり生き残っただけなのでご都合な展開ではある。
敵の逃亡先をただひとり突き止めた手口はいいアイディアだった。
復讐以外にもフィクションの主人公的に気持ちのいい行動原理があったらもう一皮むけていたのではないかと思う。
あと、FBIの絡み方は、あまりストーリーに寄与してないような。。
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