「先の見えない日々が続く」練習生時代、それでも「努力すればうまくいくはず」という思いで日々を過ごす。「いつまで続くかわからない」この不規則な仕事を続けるためには「ポジティブでいればうまくいく」と信じるしかない。
この映画に現れるブラックピンクの4人の顔には、終始「不安」が張りついているように見える。もっと言えば「恐怖」に近いものかもしれない。感情には支配されず、「不安」や「恐怖」の要請により、理性で感情を統制しているように見える。
感情で動いているように見えるリサでさえ「必要以上に明るく振る舞っている自分」を自覚し客観視していることをほのめかす。
だからこそ、その厳しい理性の統制(するという意志)をすり抜けて、時おり顔を出すこぼれ落ちるような彼女たちの感情には涙せずにはいられなかった。
「先の見えない」「いつまで続くかわからない」、そんな思いで日々を過ごす彼女たちがはじめて安らかな表情で語り合うのは、20年後の自分たちの話。たぶん「何かが終わっているはずの未来」の話。そして「復帰しようよ」という言葉でこの映画は終わる。
ある4人の女性の、終わりと始まりをめぐる物語。とても、良かった。