みっちー

シカゴ7裁判のみっちーのネタバレレビュー・内容・結末

シカゴ7裁判(2020年製作の映画)
4.4

このレビューはネタバレを含みます

60年代を描いた映画に紛れもない「今」を見た。
単なる社会派映画ではなく、『十二人の怒れる男』のようなアツさがある。

ベトナム戦争の反対運動のための抗議デモから暴動へと発展。
扇動した罪で裁判にかけられてしまった7人の男たちの、事実に基づく物語。

試合に負けたが、勝負には勝った。
傍聴者と同じように拍手をして、最後には拳を掲げていた。

一人一人が信念を持っていて、最後まで彼らの熱がヒシヒシと伝わってきた。


バーの中は「60年代」とは無縁。
だが窓の外では、「60年代」が繰り広げられていた。
バーの外は「60年代」。
中は「50年代」のままだ。

今作を象徴するこのセリフ。

私たち日本人にとってはアメリカで起きているデモや分断は対岸の火事かもしれない。

しかし、私たちは「バーの中の人間」にはなってはいけないのだと思う。

バーの通りに面したガラスは外が見えない仕様である。ただ、そんな状況下で外の異変に気がついた1人の女性がいた。

私たちは、あの女性のように今自分たちの暮らしている領域の外で起きていることにもアンテナを張る必要がある。

そうしなければ、時代に取り残され、世界の変化に鈍感な人間になってしまうだろう。
みっちー

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