さすらいの旅人

愛のまなざしをのさすらいの旅人のレビュー・感想・評価

愛のまなざしを(2020年製作の映画)
3.7
●貴方のココロのスキマをお埋め致します
【BS/WOWOWシネマ/BD録画視聴/ビスタサイズ】

この映画は嫌いじゃない。
往年のヒッチコック映画を彷彿させるミステリアスな雰囲気があるからだ。亡き妻が忘れられない精神科医にある魅力を備えた美人患者が現れて翻弄される物語だ。この美人が妻と瓜二つであればヒッチコック調のどこかで観た映画になってしまう。

この映画のキャストは豪華だがインディーズ的低予算映画と言える。予算がなければ魅力的なシナリオだけが勝負の分かれ目だ。美人が小悪魔的に近寄って行くプロセスと妻の幻影に悩まされる精神科医の葛藤がテーマだと思う。美人の秘密や言動での二転三転はあるが驚くべき映画的な衝撃を受けることはなかった。低予算による全体的なチープ感の払拭もうまくいかなかったようだ。

美人を演じた杉野希妃は本作のプロデューサーを兼ねており才能のある方らしい。調べると国際映画祭でアジア・インディーズのミューズと呼ばれ監督賞等を受賞した経歴がある。本作のボディコンワンピースの悩ましいその容姿からは想像出来ない。そう言えば存在感のある演技で中村トオルを手玉に取っていたなあ~。

この映画のジャンルはラブロマンス/サスペンスミステリーとなっているが、もっとホラー要素を強めてサイコホラー風に仕上げた方がもっと面白かったと思う。