のんた

シャドウ・イン・クラウドののんたのネタバレレビュー・内容・結末

シャドウ・イン・クラウド(2020年製作の映画)
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このレビューはネタバレを含みます

第2次大戦中のニュージーランド、機密任務の女性将校が乗り込んだ軍機を日本空軍とグレムリン(大きなコウモリみたいな怪物)が攻撃する。実は女性将校は乗員の兵士と恋仲で、出産した赤ん坊を連れて暴力的な夫から逃れるために任務と嘘をついて乗り込んでいた。機は攻撃を受けほとんどが命を落とし不時着するが数名が生き延びる。
前半はほぼ主人公しか映らないし、墜落後しぶとく生きていたグレムリンと単独で戦い、周りにいる男たちは加勢もせず、とどめを刺したあと人目を気にせず誇らし気に授乳しながらカメラ目線で終わる。
戦争に怪物でどういうジャンルと言われるとよくわからないが、強い女性の映画ということは間違いない。夫以外の男と子供を作って戦時下で軍機を利用して逃げようとするという、軍人としてはひどい話だが、乗り込んだ後ありとあらゆるセクハラを受けていた主人公もその判断力、行動力で認められていき、最終的には赤ん坊を守ってくれる兵士も出てくる。
撮っているのは女性監督のようだし、エンドロールで昔の女性兵士のモノクロ映像が流れるし、その時代の女性軍人が受けたであろう苦難に敬意を表されているということはわかるが、そのドラマにグレムリンを出すことで、自分のような人間が興味を持って見たように、敷居を下げて楽しめるエンターテインメントにしている。グレムリンが何をしたいのかよくわからないが割と最初からバンバン出てくるのもいい。飛行機にグレムリンとなると、どうしても映画版「トワイライトゾーン」のジョージ・ミラーの短編を思い出す。
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