ひぐまさん

天外者のひぐまさんのネタバレレビュー・内容・結末

天外者(2020年製作の映画)
2.8

このレビューはネタバレを含みます

おっさんの考える俺TUEEE系映画。こんだけ良い題材と良い俳優と金を使って、こんだけカッスカスの映画が撮れるのかと逆に驚き。

全編を通して具体性のないセリフを滔々と話すシーンの切り貼りで進み、登場人物の心情もストーリーも時代背景も何一つ掘り下げられず、お涙頂戴のエモいシーンだけ断続的に見せられ、一周回ってシュール。坂本龍馬暗殺の場面が登場人物が泣いてるシーンだけで終わったのは声出して笑いそうになった。

あと遊女とのメロドラマや坂本龍馬や伊藤博文みたいな有名人との絡みを無駄に強調した結果、倒幕後の五代の活躍(五代の業績を踏まえるとこちらの方が重要なのでは?)はカスカスの描写しかない。この映画を見て五代が何をした人なのか分かった人はいないと思う。

エンドロールで某政党の代表(カメオ出演してた)の名前が出てきて全て納得。なるほどプロパガンダ映画だったのか、と一人で納得した。劇中で主人公たちが何も実質的に意味のある政策の内容を語らずに「世の中を良い方向に!」と連呼する様子は、某政党の政治家そっくりでしたね。

ただ三浦春馬さんはマジで上手かった。こんな内容のないカスカスのセリフばっかのクソプロパガンダ映画にも、全力を尽くす姿勢に感動して泣けた。これが三浦さんの遺作になったのが本当に残念。