ヒチ

迂闊な犯罪のヒチのレビュー・感想・評価

迂闊な犯罪(2020年製作の映画)
2.8
イランの宗教革命前夜に起こった映画館放火事件を題材にした映画。事件を直接描かずに、この作品自体と劇中のスクリーンで流される『迂闊な犯罪』、事件時に実際のスクリーンで流れていた『鹿』の三層構造のフィクションで現実と対決しようとする姿勢に凄みを感じた。そのフィクションの力を信じる姿勢は、フィクションを通して自殺を図る男を救い出したり、現実に起こった地震を描こうとしたキアロスタミに似ていると思う。

とはいえ実際楽しめたかと言うと微妙で、その複雑な構造や長回しの多用、同じ場面の執拗な繰り返しなど手法を詰め込みすぎていてあまりノレなかった。ラストもヒドいんじゃないかな....。
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