クドゥー

ガールズ&パンツァー 最終章 第3話のクドゥーのレビュー・感想・評価

4.0
『待たせちまったけど、待っていることが生きがいに』

私たちを上回る好敵手の成長によってお預けを食らっていた大洗女子学園最後の戦い第3話は、その成長曲線に呼応するような映像と音響の進化が予想可能性を遥かに超越しており、劇場における時間密度に何石投じるのか問うべき青春ミリタリーアクションの傑作。

夜戦の本領が発揮される撮影効果無双な映像とシーンの転調との親和性が比類なき次元の音響、膨大な情報量を超絶台詞回しで耳元へ来るまでに咀嚼してくれる会話力にブチ抜かれ、ミッションにエンターエンターするまで全神経を研ぎ澄まされる没入感しか存在しない。

トーナメント表の進みについては激闘の果てに俺たちが渇望したベスト4が出揃ったところで、消化試合の危険を孕むプロットをディテールの豊かさで魅せまくる手腕に脱帽するが、いくらなんでも今回は鋭意製作中の一言がなければ耐えられないレベルの吸引力だ。



鑑賞記録
2021.03.26
T・ジョイ横浜非DOLBYCINEMA
→その辺のドルビーアトモスよりもオブジェクトベースのオーディオ・テクノロジーな7.1ch。アニメ映画用に設計されたとしか思えない視界にジャストフィットする映像美。まずはここから始めたい今の僕にとってのスタンダードです。

2021.04.02
立川シネマシティast極上爆音上映
→フォーマットの申し子たちがサラウンドやらトップをゴリゴリ鳴らす中で、出音の表現力一本で勝負してくる覇道上映。デフォルメと言っても差し支えない重低音。それが元来のサウンドデザインであるよう振る舞うのが狂気。

2021.04.11
グランドシネマサンシャイン6BESTIA
enhanced
キャノンボールズ・フォールセンシャラウンド
→劇場が誇るポテンシャルに余裕を持たせながら輪郭をしなやかに力強く音響。アップミックスを感じさせないアップミックス。最近はエッジに特化した5よりも好みかもしれない。

2021.05.30
T・ジョイ横浜DOLBYATMOS
→もはや「天井から鳴ってるか」と「天井から鳴ってるように聴こえるか」の違いでしかないアトモスフィア。音響体験は音響設計の時点で決まっている。次回の劇場鑑賞予定が問題の「るろ剣」であることに不安しかない台詞のバランス力。
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