追悼・朝比奈順子で鑑賞。既にお亡くなりになっていたとは、合掌。黒沢直輔監督では珍しくコメディ。未亡人だからやりたい男と未亡人を演じてセックスを満喫している女性の艶笑喜劇。峰竜太を籠絡させたダイナマイトボディとコメディエンヌな演技がロマンポルノ最後の輝きだったと思います。

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新しい刺激を欲しているOL（朝比奈順子）が、夫を亡くした友人（小川恵）に変装することにより、虚構の日常を築き上げようとする。虚実不明瞭な世界に侵入した女性のセックス模様を描いている、日活ロマンポルノ。

昼間は8インチフロッピーディスクのパソコンを操作する事務職に従事、そして夜間は心がすれ違っている彼氏との事務的なセックスに従事。そんな、無味乾燥な生活に嫌気が差したヒロインが、未亡人に変装してしまう。

未亡人という言葉の響きに惹き寄せられる男性心理と、未亡人の視点から性観念の在り方を諭してくるドラマが、絶妙なラインで絡み合う。ラグタイムの楽曲が採用されており、「男女の営みってこんなもんだよね」という小粋な乗りに満ち溢れている。

白足袋を脱いで素足が露出する瞬間だとか、彼氏に趾（あしゆび）を舐めさせるプレイだとか、布団からつま先を外に出した状態の自慰行為だとか、足フェチ垂涎の演出がてんこもり。バックで突かれた瞬間をコマ落としで演出するのも効果的。

雪のラストシーンで（あ、これもう観てるヤツだ）と思い出した。そのくらい印象がなかった。いまのところ、黒沢直輔の中で一番ピンと来なかった作品。