くるぶし

サマーフィルムにのってのくるぶしのレビュー・感想・評価

サマーフィルムにのって(2020年製作の映画)
4.3
レビュー1000本達成!!!!!2013年から始めてようやく辿り着いた‼︎‼︎ヤッター
生涯10000本を目指してこれからも映画を楽しみ続けるぞ!!!!
記念すべき1000本目はずっと温めていた最高なこの作品だ!!!!

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学生時代自主映画を作っていた身として重なる部分が多く身体が弾け飛びそうな感覚になった。
制作過程の疾走感とか、編集の缶詰めの感じとか、一つ一つのシーンで思い出すし、何よりそれら1つ1つが愛で溢れていて自分のあの頃の映画に対する情熱や愛を可視化してくれた気がした。

そして松本監督は青春を切り取るのが本当に上手い。
彼の監督作のライトブルーという曲のMVを初めて見たとき、画面から溢れる青春の瑞々しさに心が揺さぶられ涙した。(傑作だからこの作品が気に入った人は要チェック https://youtu.be/pHiQg00wBzI )

一瞬の熱を切り取る演出としてワンカット長回しや定点での時間経過が光っていた。1つの画面で同時多発的に様々なコミュニケーションが起こっていて、この時間が積み重なって友達になっていくんだよなあと沁みに沁みた。各キャラ関係性が時間経過で変化していくのを眺めているだけで尊くて心が浄化される。

そして何より演者たちの愛しさたるや。主演ハダシ役の伊藤万理華のイケてないけど内に秘めた情熱だけで青春してる感じ。ディフォルメされているけどとても自然で、
作中で周りのキャラが彼女の熱に伝播されてく様子に説得力をもたらしている。
ビート板役の河合さんも非常に絶妙。たくさんの受賞おめでとうございます。恋をしていたのが凛太郎なのか、ハダシなのか非常に曖昧で生々しくてよかった。もしかしたら2人に恋してたのかも。
もちろんブルーハワイやあのギャルの子、スタッフの面々全てが愛しい。幸せであってくれと願わずにはいられない、生きたキャラクターたちでした。

最終的に敵がいない感じもヤングゼネレーションみがあって非常に気持ちがいい。恋愛映画を否定するのではなく、それも1つのあり方だと示した製作陣の映画愛に心打たれた。映画を題材にした映画として100点満点の回答だったと思う。

ラストの力技も粗がありつつも魅力的だった。青春でSFで時代劇で作中劇という超突飛な設定だが勢いと演者の熱量に完全に持っていかれて感動した。青春映画の金字塔がまた一本デカいのが立ちました。
本当に大好きな作品です。
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