せびたん

オールドのせびたんのレビュー・感想・評価

オールド(2021年製作の映画)
4.0
1時間で2年分の時間が流れるビーチでの出来事でした。
竜宮城とは真逆のディストピアでウケますね。

ホテルから紹介されてそのビーチにやってくるのは3家族。まずラテン系の家族(主人公家族。というかこの家族じたいが主人公というか)とアングロ系の家族がビーチに着くとそこには先に来てる人(黒人だけどとりま先住民)がいて。さらに後から東洋人と黒人のカップルがやってくるという。これってアメリカの歴史になぞらえてる?ってちょっと思いました。まあ私はアメリカの歴史とか全然知りませんけど。なんとなく。周囲から孤立したビーチは国とか社会の喩えになってるのかも、と思った次第です。私達も自由に生きているようで意外と狭い範囲で暮らしてますからね。そこから脱出するにはものすごい困難がつきまとうものです。不可能と言ってもいいくらい。

そんな話はおいといて。

崩壊しかけていた主人公家族の絆は、その困難の中で再生されていきました。このくだりはもうちょい詳しく描いてほしくはあったけれど、その家族に対するシャマランらしい暖かい目線はよかった。観客への暖かいメッセージに満ちた作品でもありましたし。シャマランは21世紀においても映像作家?メッセージの発信者?として振る舞い続けるカッコいい男なのです。私にとっては。観客が見たがるものを消費財的に供給するのが主流の時代なのに。ウケるわ。
映画への愛にも満ちてましたね。シャマランの作品はいつだってピュアな愛に満ちた空間なのです。それゆえどんなに駄作だなあって思っても私には否定できないという🤣ピュアすぎて引くこともあるし、実はピュアなフリした薄汚い計算だらけのおっさんか?って疑うこともあるけれど🤣まあ別にどっちでもいいんだよね(←いや、ここはもうちょい執着してやれよ)

できることなら本作レベルの作品を撮り続けてほしい。ていうかもう少し駄作率を下げてくれるとホントに嬉しいです😀庇いきれないことが起こりすぎてる気がする😀
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