rage30

パリの調香師 しあわせの香りを探してのrage30のレビュー・感想・評価

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調香師の女性と運転手の男性の交流を描いた作品。

所謂、凸凹コンビを主人公にしたバディムービーで、ベタな話ではありますが、その分、誰が見ても楽しめる作品になっているのではないでしょうか。

主人公は傲慢で独善的な女性調香師と、ガサツでデリカシーのない男性運転手。
正直、第一印象はどちらも良くないのだけど(笑)、そんな2人だからこそ、時に衝突したり、時に和解したりするのが面白い。
2人が段々と理解し合う様に、観客もまた2人の事を理解して、好きになっていくんですよね。

女性調香師のコミュ障な感じとか結構笑っちゃったし、親権の悩みをさらっと告白する男性運転手も印象的。
自分の弱みを晒せる、オープンな性格の彼だからこそ、女性も自分の心の内をさらけ出せたのかもしれません。

劇中、「嫌な匂いは消し去るのではではなく、違う匂いと組み合わせる事で良い匂いに変える」といった趣旨の台詞がありますが、まさに本作は自分と違う人間と触れ合い、協力する事で、人生を好転させていく男女の話と言えるでしょう。

欲を言えば、終盤にもうちょっと盛り上がりが欲しい気もしましたが、100分で軽く見終える事を考えると、これくらいあっさりしてた方が良いのかな?
タイトルで敬遠される人もいるかもしれませんが、バディムービーの佳作として、『最強のふたり』や『グリーンブック』が好きな人にオススメしたい作品です。
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