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EO イーオーのrage30のネタバレレビュー・内容・結末

EO イーオー(2022年製作の映画)
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このレビューはネタバレを含みます

サーカスから追い出されてしまうロバの話。

まずは何と言っても、ロバを主人公にした事が面白かったですね。
劇中、サラブレッドと比較される場面がありますが、馬と比べると小さいし、毛並みもボサボサで、顔もボケーっとしている。
そこはかとない哀愁が漂っていて、どこか切ない気持ちにさせられるし、逆にオフビートなおかしみを感じたりもしました。

そんなロバが人間の都合によって、いろいろと酷い目に遭うわけですが、「やれやれ…」と言わんばかりの諦観のある佇まいが、これまた悲哀を感じさせます。
人間はほぼ脇役で、台詞もほとんどないし、寓話的な話ではあるものの、どこに行っても人間に使役され続け、上手くいかないロバの生き様に共感を覚える人は多いのではないでしょうか。
少なくとも私は、すっかり感情移入して応援しながら見ちゃいましたよ。笑

抽象的・幻想的な演出がちょっと分かり難かったり、終盤の人間側のドラマが余計に感じる嫌いはあるものの、90分でさらっと見れるので、そこまで苦痛に感じる事はないでしょう。
世にも珍しいロバ映画として、変わった映画が好きな人にオススメしたい作品です。
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