つエ

記憶の技法のつエのレビュー・感想・評価

記憶の技法(2020年製作の映画)
3.5
やや自己中心的にも思える真っ直ぐさの巻き込み型ヒロインと冷静で計算高いサポート役という二人が、失われた記憶の謎を解くために旅をする漫画原作のミステリ風ロードムービー

高校の同級生男女二人だけの旅ながら余計な恋愛要素は排し、依頼人のお嬢様とお供の探偵といった体のバディとして関係性を描いたのは観易さという点では良かったと思う
また、謎の核心にあるのはかなりセンセーショナルな事件なのだが、その生々しさや刺々しさを極力抑えた回想シーンも、ノスタルジックな美しさを感じさせて映像としての完成度は高かった

途中ヒロインが唐突に福岡から日帰りで釜山に行くという、ロケ地の観光PRとしか考えられないような謎の行動を取ったり、そこそこ魅力的な相棒役のキャラクターの掘り下げに少し不足を感じるなど、不満な部分・物足りなさはあるけれど、全体的には繊細で抑制的な物語運びで好感を持って観られた
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