こっふん

林檎とポラロイドのこっふんのネタバレレビュー・内容・結末

林檎とポラロイド(2020年製作の映画)
4.5

このレビューはネタバレを含みます

2024年 133本目

・動きの少ないカメラワーク、控えめな音楽、スローな雰囲気、独特なユーモアのセンス、最高。ランティモス作品っぽい。
・主人公がなんか可愛い。記憶の検査、思わず口角が上がってしまう可愛さ。
・人のチャリガンガン転かすなよ。あと体の大きさにあったチャリ借りれよ。子どものチャリに乗るということが、子どもの頃から、1から人生をやり直すことを表してたりする?もしくは記憶喪失を演じていただけ?
・妻を失った悲しみから逃れるため、記憶喪失だと偽って「新しい自分」に参加する。そのプログラムに参加したことで、悲しい過去から目を背けず、すべて受け止めて人生を再スタートさせた。悲しみを背負って生きていくと決めた。主人公なりの「新しい自分」になれたんだと思う。
・無垢で純粋だった頃からやり直したい、新しい自分に生まれ変わりたいみたいな願望を投影した作品だったりするんかなと思った。
・ほとんど説明はなく、とにかく受け手が読み取る作品。記憶があるような行動から抱いた疑問の数々が、徐々に確信に変わっていくのがめちゃくちゃ気持ち良かった。
・セリフも最小限で、余白の残し方が絶妙。考察のしがいがある。
・めちゃくちゃ心に沁みた。多分悲しみから逃れることはできないし、悲しいことが起こるのも人生なんだと思う。美しい作品だった。
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