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脱出のneohetareのネタバレレビュー・内容・結末

脱出(1944年製作の映画)
5.0

このレビューはネタバレを含みます

うわーめっちゃ良い〜!

『三つ数えろ』と連チャンで観たけどハンフリー・ボガートとローレン・バコールの掛け合いと雰囲気が最高だ。(『脱出』が初共演なのね)

強気なスリムとそんなスリムを受け止めつつ引っ張れるモーガン。
「ワインボトル忘れてるよ」を口実に互いの部屋を行ったり来たりする下りが可愛らしくて良い。

『三つ数えろ』も『脱出』もハンフリー・ボガートに与えられた主人公像が好き。
何に肩入れすることもなくただ良心と愛情
によって周囲の人を平等に助けてあげられる人間。個人的にはこういう主人公が一番好きだったりする。

「君は何を支持している?」
「自分自身だ」

かっくいい……

あとまたちょくちょくハンドサインでやり取りしてるとこあって可愛い。

所々西部劇の香りが感じられるのも良い。

そしてこの作品を一番ユニークにしているのはホーギー・カーマイケルがピアノマンとして役を与えられてローレン・バコールと共に歌っていること。

前半で出てくる『Am I Blue?』で一気に心を掴まれた。

歌うという行為って煎じ詰めると「歌いたいから歌う」以外何の目的も無いんだけどその無意味性が尊く、歌っている間にだけ流れる非日常的な時間が人の活力になる。

人が歌ったり踊ったりする様子をカメラに収めることの意味はその時間を見せるという所にあるなと教えられた。

ラストも音楽での締めくくりが楽しくて爽快で、ありがとう!となった作品でした。
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