脱出の作品情報・感想・評価

「脱出」に投稿された感想・評価

たくみ

たくみの感想・評価

4.0
ハワード・ホークス監督。1944年公開。
原作はヘミングウェイの小説。

比較的軽めのプロパガンダ映画。

主演の2人の心理描写が少ない気がする。
綺麗に描かれすぎて人間らしさがあまり感じられなかった。
ただ2人ともクールでカッコ良い。
先日ジョン・ブアマンの脱出を見て、同じ邦題のこの映画(勿論原題は全然違う)を見たくなったが、

まず最初の港の様子が自分的に一番気に入った点で、長回し気味の撮り方や人々の様子、そしてコンドルや後のリオブラボーみたく仕事に取り組む男たちの生き様が良く描かれていた点はハワード・ホークス作品の良さが凝縮されていたようだった。

そこからは港のシーンは期待した程には無くて残念だったけれども、一方でハンフリー・ボガートやローレン・バコールが煙草を吸う様も中々イカしてて、ここまで煙草を吸う姿が印象に残る映画もそう無いんじゃないかと思えた。

上記の二人のドラマより港やそこで働く人間の姿がもっと見たかった気持ちは決して拭えなかったけど、光の具合も良かったし最初の期待に反していた割には楽しめた作品だった。

でもエイゼンシュテインの映画を見た後だとさすがに映像の力に物足りなさを覚えてしまったから、見る順番を間違えてしまったかもしれない。
kyon

kyonの感想・評価

4.0
なんといってもローレン・バコールに魅了される!

40年代ハリウッド作品は戦争中のこともあり、民主主義を全面に肯定するプロットが顕著になる(もともとハリウッドの特徴の1つではあるけど)けど、この時期のボガート出演作品、類型としてまとまる。

過去になんらかの傷や暗闇をもつ男女が異国で出会い、やがて恋に落ちる。あらすじはシンプルではあるけれど、だからこそちょっとした差異を作品世界に取り入れ雰囲気を変える。観客は結果より過程を観る楽しみがあったのかなぁ。『カサブランカ』とかもこの類型。

代替可能な構造ゆえに誰がキャスティングされているか、どんな話題を提供されているのか観るのも1つの楽しみ方かも。

その系列として、ボガートの相手にキャスティングされたのがモデルをしていたローレン・バコール。ちょっとした解説観たら、事務所側がバコールを売り出すために作品と同じく彼女の追い立ちなどを不透明にして神話性を演出していったみたい。

過去を見せないことで突如現れたカリスマ、みたいな売り出し方があるような気がする。

ローレン・バコールの登場シーン、ノワール調の画面右半分、細かなチェック柄のセットアップを纏い、ドアに体を軽くもたれさせながら「タバコの火ある?」。

これはすごく美しくて、その一言でやられた…。

衣装がシンプルながら、かえってそれが合ってる。チェック柄のパワーショルダー型ジャケットとスカートだったり、ピンストライプのウエスト切り替えのワンピース…かなりバコールのスタイルの良さを上手く強調してる。
ウエストほっそ!って何回言ったか笑

特にパワーショルダーは40年代ハリウッド・モードの1つだけれど、結構身に纏う役柄を観ると自分に対しプライドを持った、少し挑発的な女性像になっていることが多い。自分の魅力をある種自覚している女性たち。ここにはフィルム・ノワール期のファム・ファタール像とも関連してる。

ただいわゆるハードボイルド系列に属する女性たちは相手の男性を破滅させず、ハリウッド的なエンディングを与えるのも特徴。『ギルダ』とか。

だから最後にボガートと結ばれたバコールがちょっと腰をくねらせて陽気に踊り出したところ印象的だった。
Ricola

Ricolaの感想・評価

3.8
ハンフリー・ボガート×ローレン・バコール初共演作。そしてバコールのデビュー作だそう。

この2人はこの映画の公開翌年には結婚し、息子の名前にボギーが演じた役の「ハリー・"スティーブ"・モリガン」からスティーブと名付けたらしい。
このエピソードから、この映画がどれほど2人にとって重要なのかがよくわかる。


やっぱり彼女は印象的。もうすでに他にない雰囲気を身に纏っている。ハスキーボイスとクールビューティーな容姿が素敵!

酒好きなエディーがいい味出してて彼の場面は少し笑えてよかった。

口笛を吹いてフフッと笑うボギーがかわいい。そして彼は終始かっこいい…。

バコール演じるスリム、クールなのにヤキモチやくのとか最高にかわいい!

ピアノマンのクリケットの演奏も、作品に花を添えてくれていた。

ストーリー自体は目につくところはなかったが、登場人物がとにかく魅力的だった!
Toshiya

Toshiyaの感想・評価

4.0
タバコ、ワイン、マッチ
ピアノの使い方
小道具で紡ぐ魅惑の物語
ミキ

ミキの感想・評価

4.0
カサブランカを見た時も思ったけど、1940年代に、現代にも通じる価値観の映画が作られてたってのが凄いんだよなぁ…。
ハンフリー・ボガードとバコールさんがこの後現実でも結婚したというのがまたなんともロマンチックで良い👏👏✨

マッチある?ってあんなに美しく訊いてみたいよね。まぁ…タバコ吸わないから訊く機会ないんだけどね…。
ワインボトルを持って部屋を行き来する駆け引きがお洒落。音楽の使い方もいいねぇ。あとはタバコ。マッチに火をつけてポイッ!かっこいい。
真の人生ベスト。

ローレン・バコールの登場シーンが最高。マッチをぶん投げるボギー。それで火をつけてマッチを背面にブン投げ、タバコを一回ふかしただけで弾く様に捨てるのだよ!!!!
かっけぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇ ってなるべ?
ボギーが借金踏み倒そうとする奴に迫るシーンで、ボギーのタバコ咥える動作に対し、もはや食い気味にマッチを付けるバコールが天才的としかいいようがない。

ボギーが密入国の仕事に行くシーンではブレナンの身を案じて船に乗ろうとする彼を罵って追いやるわけだが、そのブレナンを見送る視線のカットの中でボギーが”ニヤリ”と笑うわけですよ。それが無茶苦茶いい。
並の監督だったら「言いすぎちまったかな」ってな表情をさせるところだと思う。
あちゃ

あちゃの感想・評価

5.0
カサブランカは退屈すぎてピーターローレが出てくるとこで見るのを辞めてしまったんですが、本作は猛烈にバコールとボギーの魅力が詰まってるうえに、まったく政治性を持たないし、無駄がないから一挙に目に入ってきた。体感時間40分ぐらい。タバコとマッチと酒と歌と銃が人物を彩る
ネムル

ネムルの感想・評価

5.0
2回目。魂の映画。

煙草を吸うという行為だけで、これほど豊穣なアクションが生まれるというのが信じられない。この映画とローレン・バコールがあるだけで、煙草を吸う女性を断固支持する。
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