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ビリー・アイリッシュ 世界は少しぼやけているのDZ015のレビュー・感想・評価

5.0
「まるで一曲の歌のような家族なの。今でも兄の部屋で曲を作ってる」

本当に素晴らしいドキュメンタリーだった。ひとりのアーティストの、というよりひとつの家族のドキュメンタリーとして。

心配から過干渉気味の母親。マイペースな父親。ショービズ業界と家族とビリーの間で絶妙な立ち回りを見せる兄フィニアス。バランスの妙。

これだけの家族愛に支えられていても一気にブレイクしたことによる嵐のような日々のストレスは尋常でなく、時に不安定になる18歳の少女。GPSアプリを入れようとしたり、こっそり低馬力に改造して欲しがっていたダッジチャレンジャー(大型車)をプレゼントするくだりなど、親としてわかりみが過ぎる。

憧れのジャスティン・ビーバーと対面するシーンは本当に可愛らしい10代の少女でしかないし、これまで割りとチャラいイメージしかなかったジャスティンの対応がまたとても素晴らしい。同じ道を通ってきた者だけが出来る心配り。

あまりに暗い歌詞を母親に諭されるビリー。その歌詞がこれほど多くのティーンに刺さるという現実には複雑な思いもあるが「あなたは恩人よ。命を救ってくれた」と叫ぶファンの少女を目の当たりにすると、彼女たちが求めているのは安っぽい励ましより共感なのかなと。

さらりと歌われる歌声の素晴らしいこと。兄フィニアスのサポート力が素晴らしいこと。家庭はいつでも笑いあえる場所であること。

#ビリーアイリッシュ #世界は少しぼやけている
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