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ビリー・アイリッシュ 世界は少しぼやけているのbennoのレビュー・感想・評価

3.8
2019年にリリースされたデビューアルバム『When We All Fall Asleep, Where Do We Go?』の製作過程やライブ映像…また、当時17歳の彼女の素顔を映したドキュメンタリー…。

彼女の神がかった歌声、メロディは言うに及ばず…最たる魅力は…傷付いた現代社会に治癒能力を齎す彼女のリリック…ハッピーを知らないからハッピーな曲を作れない…と彼女は言います…。


一時期は心を病んでリストカットを繰り返したことも…また、持病であるトゥレット症候群(チック症)の発作が出るシーンも赤裸々に曝け出します…。

様々な葛藤の中…心の救いとなったのは12歳の頃からの憧れの存在…ジャスティン・ビーバー…。

ジャスティンとの初めての出逢い…5分間のハグ…思わず彼の胸で泣き出してしまうビリー…どこにでもいる少女です…。

またフェスの舞台裏でケイティ・ペリーに挨拶…当時フィアンセのオーランド・ブルームに気付かず、後に"No way!!” と悔しがる姿も可愛らしい…。

そして当時の恋人Qとの映像も…ふたりの間に温度差を感じるのはちょっと心配…(っと思ったら破局したらしいですっს)…。

家族の絆はとてもとても強く感じます…ガラス玉のように繊細なビリーを両親は徹底的にサポート、庇護します…。

子供時代、人格形成に影響を与える学校や友達を知らず家族の中だけで育ってきたのです…。


“Our family was just one big f*cking song.”
   まるで1曲の歌みたいな家族なの…。 


そして忘れてはならない兄フィニアスの存在…同じミュージシャンとしての同志であり、プロデューサーであり…人格者のよう…彼無しには今の彼女は確実にいないと思います…。



I feel like kind of a minefield to me, because I feel like I’ve been, like, told to write a hit. But I’ve been told to not tell Billie that we have to write a hit.

And I think her equation is that the more popular something is, the more hate it’s gonna get.

神経がすり減るよ…売れる曲を書けと言われる…だがビリーには言えない…。

彼女は人気が出るほど嫌われると思っている…。



ライブ会場に向かう車の中で、緊張で手の震えが止まらない姿は17歳の少女にかかる途轍もない重圧を感じ、ライブ終了には落ち込むビリー…周りの声は関係なく自分自身の中で納得出来ない悔しさを露わにします…。


現在は21歳…今後も益々楽しみなシンガー…いつか彼女のハッピーな曲も聴いてみたいです…♬
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