藤見実

COME & GO カム・アンド・ゴーの藤見実のレビュー・感想・評価

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ただ行き交うだけのそれぞれの人々をその属性と諸問題に光を当てるような形で交差させる問題提起的な群像劇であるならば、シークエンスとカットの関係性をもう少しなんとかしたほうがよいのではないか。最初からワンカットワンシークエンスでバチバチに編集をかまされると、「交差」まで一体何を楽しみにして良いのかわからなくなる(もしかしたらこう言った群像劇に定型的な徐々に早まる編集を避けたのかもしれないけど)。横移動を司る「ハーフ」の運び屋的なお兄ちゃんの撮影はもっと中心部と少し外れの(郊外とまではいかない)場所をつなぐのにうまく使えたのではないか…などと色々と文句はつけたくなるところがあったが…それでもそんな文句も夢破れて叫ぶ韓国からの出稼ぎ四人のお姉ちゃんの「オオサカー」に打ち消されたと言っても良いかもしれない。

・なんといってもディルドを操るシャオカン!
・2回ある風呂のシーンは二つとも最高
・観覧車でこそ磯崎健一郎的なことが成り立つかもしれないが、そうはならず、幸せの瞬間に女は高さを失う。

・警察はあんないい家に住めないでしょ
・ラストは映写機!
藤見実

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