きゅうげん

バイオハザード:ウェルカム・トゥ・ラクーンシティのきゅうげんのレビュー・感想・評価

3.5
満を持して原点回帰……と言っても、『バイオハザード』1&2は遥か昔で馴染み薄。
個人的には、最近路線変更した7&8やリメイク版、あるいはジョボビッチ&アンダーソンの夫婦漫才な独自路線映画シリーズ(地上波定期)が身近な印象です。

そんな本作、割と楽しめました。
もちろん特殊効果やセット、脚本や演出など低予算感が随所にみえて映画的強度は心もとないですが、1と2の切り張り展開のために再構築されたキャラクター陣はとってもフレッシュで愛すべきものに映ります。彼ら彼女らそのものはかなり好き。

しかしそんなアッチコッチの二軸ストーリーで、警察署とか洋館とかせっかくの舞台は活かしきれてない感じ。
シーンごとにも難があり、「ITCHY TASTY」なんて唐突でゲンナリするし、終盤のバーキン家vsウェスカーはモッサリしすぎなうえカタルシスは皆無。その後のクライマックスもレッドフィールド兄妹過去編というオリジナル要素がなければ、なかなか正視に耐えないオチだったでしょうね。
また『バイオハザード』らしいゲーム性に直結する独特なサスペンスはかなぐり捨てつつも、段取りや要素として展開に残っているために座りの悪いきらいも(例えば「二番目の鍵」とか)。

予算や脚本に特殊効果など、看過できない問題が山積してますが、一方でこの「シン・劇場版バイオハザード」を追ってゆきたい期待もわずかに。
(CGひどかったけど、手作り死体の完成度は高かったし)
とくに情けなさすぎたレオンがいい。
もし次作(CODE:Veronica+4?)があるなら、彼と大統領令嬢とのすったもんだをみてみたいです。