oucky

映画大好きポンポさんのouckyのレビュー・感想・評価

映画大好きポンポさん(2021年製作の映画)
5.0
原作漫画はポンポ狂信者ってほど大好き!
アニメになる事は、ぶっちゃけ不安だらけでした。

しかーし、予告編など小出しに出される情報で
不安は期待に変わり、劇場で観て、
期待は大興奮に変わりました。

いや、すげ〜、すげ〜、すげ〜面白い!!!
まぁ、ストーリーやセリフが良いのは勿論ですが
映像としての演出力が素晴らしい!

テンポの効いた緩急の繰り返し!
見終わった後の心地よい疲労感が物語る構成力!
観る人を飽きさせないセリフや音楽!
味がある絵柄!
演技上手な声優陣!
エンタメ映画として完成度が高すぎるる!!
原作未読でも全然オッケー!!

コミカルなキャラに惑わされてはいけない。
このアニメはとても骨太な映画なのです!
映画が大好きじゃなくて、まぁまぁ好きな人でも
十二分に楽しめる内容になってると思います。

えーっと、
ここからはちょっとだけ語ります。

良かった作品って感想読み返すと
結構同じ事書いてるんですよねー 苦笑
結局、僕が映像に求めてるモノって脳汁ドバドバの気持ちいい瞬間なんだと実感します。
その瞬間って、約1.5時間から2時間の映画の中に
一杯溢れています。
ある瞬間を、切り取ったフッテージなのか?
全てを通した見終わった時なのか?
一本の映画の中で、
様々な脳汁ドバドバシーンがあるが、
本作は基本脳汁出っ放しでしたー。

今回、特筆すべき点は映像の切り替わり
トランジッションでは無かっただろうか
オーバーラップだったりフェードINだったり、ワイプだったりするアレである。

アレは簡単に映像世界の時間と
空間をねじ曲げる事が可能である。
昔のフィルム時代はお金がかかるので
映画ではあまり多様されませんでした。
いわゆる
オプティカル合成と言われるモノですね。

近年では簡単に入れらるようになり、TVなんかでは
多く使われています。
でも、余り入れすぎると
若干チープさを感じさせてしまう。
その事からも映画では
トランジッションを多用いない作品も
数多く存在する。

しかし、本作は様々な手法でトランジッションを用いて時間と空間をねじ曲げて来た。
時にオーソドックスな手法で、時に気を衒った手法で。そして、それはテンポの緩急を生み出して、心地よい映像体験に引き込む。
監督、ほんと苦労されたんだなーと思いました。
漫画とアニメの決定的な差をどこに落とし込むかという苦労が凄いうかがえます。

また、劇中の映画シーンと
アニメの通常パートの空気感。
これも上下に黒を入れた
シネスコ表現をしてみたり、
トーンを変えてみたりと試行錯誤をされたんだろうと感じました。
特に新しい演出ではありませんが、
映画を作るアニメという事もあり、その辺はとても丁寧に描かれていました。
ここも映像ならでは演出。

逆に漫画では、ワンシーン見開きにしてカラーを駆使したりして、ドンと表現してましたが…。
この辺りは、静止画、漫画という表現を最大限に活かした演出だったと思います。

そして、音楽と効果音、ノイズ。
気持ちいいタイミングにかかる曲、歌。
どれも鳥肌モノです。やはり映画にはBGMが大切なんだと思い返される瞬間。
思わず見終わった後サントラ買っちゃいました。
時にオーバーな、時に繊細な効果音も
映画を引き立ててました!
突然、無音になったり、派手な音を出したり、
こんな小気味良い演出がなされているから
完成度が高くなるのでしょう。

そして、外連味に溢れたセリフを
決めカットで言わせる!
まぁ、劇中でもジーン監督が
こだわった部分でしたが、
本編でもその効果はバツグン!
漫画以上にセリフを引き立ててました。

原作付きの作品は当然だが
オリジナルコンテンツと比較される
当然、オリジナルの方がアドバンテージが高い。
脳内で補完された「コレジャナイ」
という感覚は果てしなくデカい。
しかし、
本作は様々な角度から原作を凌駕して見せた!
また初見の人にも大きな感動を与える事は間違いない。

今まで観た映画の中で一番は?と聞かれた時
以前は「フォレスト•ガンプ」
近年は「グレイテスト•ショーマン」
そして今日からは「映画大好きポンポさん」が
今まで観た映画の中で一番面白い!
と言っちゃいます。

はみ出しちゃうけど
★★★★★★うう
oucky

oucky