モンモン

映画大好きポンポさんのモンモンのネタバレレビュー・内容・結末

映画大好きポンポさん(2021年製作の映画)
4.1

このレビューはネタバレを含みます

面白かった〜。
捨てなければ、得られない。痛切な考えが、あらゆる場面を通して伝わってきた。
捨てずとも、努力すれば何もかも得られる、みたいなご都合な言葉を向けてこなかったのは、物語を受け取りやすくしてくれた。

主人公が作っている映画のカットが、本当の映画ばりに滑らかに動いてた。ライティングとか、画の美しさとか、色味とかが最大限まで二次元で再現されていたところ、作り手の映画愛が伝わる。
あと、好きだったところは、CM編集作業と映画編集作業の対比。
ありきたりだけど、いい絵が撮れて主人公に稲妻が落ちる演出。
主人公がポンポさんの助手に選ばれた理由は、「君が一番死んだ目をしてたから」だったところ。
満たされた人間は創作活動に向いていないし、満たされていない人間は自分の中に空想の世界を広げるから創作活動に向いてる、というポンポさんの話。
↑は、妻と子を得てしまった映画の主人公にも重なるし、映画以外のものを捨てた主人公にも重なる。
監督に任命された際に、「もうこれしか僕には残ってない」って言った主人公。
物語特有のご都合主義(金髪のプレゼン中に都合良く重役出てくるとか)も許せる範囲内だった。


つかみの30分がすごい平坦でしょうもなかったけど、主人公が映画を撮り始めてからの時間は食い入るように見てしまった。
ただ、メインの役に1人だけ映画名探偵コナンゲスト声優ばりの棒読み声優さんがいて、気が散った。なんとかしてくれ。

主題歌もすごい良かったな。カンザキイオリ、惚れ直しました。