きー坊

弱くて強い女たちのきー坊のネタバレレビュー・内容・結末

弱くて強い女たち(2020年製作の映画)
3.8

このレビューはネタバレを含みます

2020年267本目。東京国際映画祭で鑑賞。ワールドフォーカス部門出品作📽

【感想】
1.メリハリあるストーリー
笑いどころやシリアスな部分のバランスがよくて、メリハリのある脚本だなと思った。個人的に好きなシーンは2つあって、道教と仏教で繰り広げるお経(?)合戦のシーンと、3姉妹が父の遺した純金を分けるシーン。お経合戦カオスすぎて笑ったし、3姉妹が純金を分けながら話をする中で、とある存在の秘密が明かされるけど、そこで発露する末っ子・佳佳の優しさに心がほっこりした☺️

2.人間模様の交差点
冠婚葬祭は家族の知らない一面が垣間見られる空間という印象が個人的にあって、本作もその空間としての一面があったなと思った。もちろんそれだけではなくて、故人をめぐる過去の記憶を思い返して、故人との関係を一旦清算(?)し、新たな関係性を構築する空間でもあったのかなと思う💭改めて、冠婚葬祭という場は、人間模様が錯綜する交差点のようだと感じた。

3.すべては始まり、終わる頃には
蒸発した夫の訃報から始まったストーリー。夫が蒸発した理由とその裏に隠された秘密、最期を看取った女の存在…様々な葛藤を経た母親(陳淑芳)は、夫の気持ちを尊重しながらも、自身が抱く夫への愛情を胸に未来へ歩き出すようなラストで良かった👏👏

番外編:4つの役割
演者、エグゼクティブプロデューサー、エンディング曲作詞・歌唱で携わっていたビビアン・スーさん凄いなと思った。今年だけで3作品(人面魚、コンフィデンスマンJP、弱くて強い女たち)の出演作を見る事ができたのが嬉しい!今後出演される(過去の未公開作品も)中華圏で制作された作品も、何らかの形でお目にかかる機会があるといいな💭

時にユーモラスに、時にシリアスに。多様な境遇にある女たちの弱さと強さを描いた、人情あふれる暖かい作品だった。
台湾公開は11/6と、そんなにタイムラグがなく見ることができたのも本当に嬉しい🎬
きー坊

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