都部

アムステルダムの都部のレビュー・感想・評価

アムステルダム(2022年製作の映画)
2.1
シンプルに面白くない。
たとえば豪華なキャストを並べて、たとえばお洒落っぽい雰囲気を演出して、たとえば魅力的な時代設定にして、とそういう装飾としての魅力を面白さとして考慮するならばともかく、あまりにも実のない話として完成されているのが本作で上っ面しかないという徹底ぶりは逆に感心する。

魅力的なキャスト達が演じるキャラクターも他の映画の繰り返しの一部に過ぎず、本作の登場人物としての魅力はまるで見られない。ただ豪華なアンサンブルであるからという理由で許される、冗長な会話と中身のないユーモアはこちらを辟易させるには充分で極めて許し難いというものだ。

戦時下のミステリとして水面下で動く軍事的な陰謀と意図せずに直面するというハラハラ感は悪くないが、その割にその空気の持続にはやる気が感じられず、かと言ってオフビートな雰囲気を形成する訳でもない淡々とした語りはどっちつかずさを覚える。その割に大衆性を獲得するようなキャラクター付けや美術は場違いのように映るし、何もかもが半端だ。
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