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マッドマックス:フュリオサのJのネタバレレビュー・内容・結末

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このレビューはネタバレを含みます

前作「怒りのデスロード」の前日譚。緑の土地で暮らす少女・フュリオサは、暴走族の集団「バイカー・ホード」に攫われ彼女を追ってきた母親を目の前で惨殺される。集団を率いるディメンタスは小人物で、実子を亡くした喪失感から彼女を実の子供のように扱うが、一方で交渉材料とすることも厭わない。斯くして彼女は第二拠点の利権と引き換えに、砦のイモータン・ジョーに引き渡された。故郷へ帰る約束を胸に、さまざまな試練に立ち向かうフュリオサが女戦士となるまでを描く。

鑑賞前に前作を観ておいて本当に良かった。そう思わせるカットが随所に盛り込まれており、ファン垂涎の本作。逆に予備知識のない状態で観たら興奮は半減してしまいそうだ。

序盤でウォーターハウスの「ヒュラスとニンフたち」を模写する描写があり、ヒュラスを水底へ引きずり込もうとするニンフたち即ちファム・ファタールの姿は、前作に出てきたジョーの妻たちを連想させた。
果実を取っていた若き日のフュリオサを攫い復讐鬼に仕立て上げたディメンタスの最期が「生きたまま苗床になり、誰にも知られることなくゆっくりと死んでいく」ことなのも皮肉が効いていていい。
文明が滅びた世界線、支配階級にいるのは男性ばかりだがそれに屈しない女性側に一貫してスポットライトが当たっている。強い女性を描いた映画は食傷気味だが、その中でも嫌味がなくて好感が持てる。
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