アニャをスクリーンで観たくて、ここまでマッドマックスシリーズを追ってきたのだけれど!
シリーズを通して、大好きな世界観だ!って、とてつもない満足感。
沢山のキャラクターに思い入れがあって、「怒りのデスロード」の前日譚として、彼らの枠にしっかりと墨入れされていく訳で、歴史が、こんな混沌の時代に、希望もない世界に刻まれていく。フュリオサのガソリンは、憎しみ。フュリオサの水は、愛するものを失った悲しみ。
よりいっそうマックスのことが好きになる。
マックスは語らない。語り継がれるからこそ、彼は伝説なのだ。
そして、マッドマックスシリーズの随所随所のポイントを明確に裏付けるような説明描写により、くっきりと世界観がクリアになっていくように感じた。
マックスの過去、荒れ果てた土地、水とガソリンが最たる価値を持つこと、武力には武力でしか抗えないこと、戦争はいつの時代にも起こってしまうこと、クソみたいな権力勾配と支配が砦を築くこと。
なんというか、これまでの作品群を蔑ろにしていないというか、寧ろ包み込むようなおおらかさを兼ね備えた、前日譚として最高の映画だった。
そして、これは前作の怒りのデスロードの制作段階より、構想されていた物達の実現であるとしか思えない見事な伏線回収。
見応えもあるし、丁寧だし、愛に溢れた作品だなと思った。そして、私はマックスの伝説に再び立ち会いたいと、既に願っている。
アニャフュリオサが観れないのは残念だけど、あの男をまた観たいと願っている。
彼は絶対に生きている。語られることのない伝説を残しながら、荒野をさすらい続けているはずだ。