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めぐみへの誓いのTのレビュー・感想・評価

めぐみへの誓い(2020年製作の映画)
1.5
小松政夫(ギリギリ遺作ではないようです。よかった…)、大鶴義丹など有名な人も出てはいるが安っぽさは否めない。正直つまらなかった。当たり前ですが未解決で進展もほとんどない事件。クライマックスが作れない。

夢の中での脱走劇というかたちで盛り上がりポイントを作っていたのは評価しますが、いかんせん夢は夢。何度撃たれても立ち上がるしハラハラすることもない。炎の中の『アヴェマリア』はクリスチャンである前フリを作った方がいい。直前に除夜の鐘の話をして「宗教禁止」って話もあんだからさ…。

それより気になったことが2点。まず冒頭、横田夫妻ら「救う会」が配るビラを叩き落とす男性2人組。「あんたらは北朝鮮を差別している」と文句を言う。

何だこいつら。意味がわからない。「北朝鮮はちゃんと発表したんだから受け入れろ」などと。
こんなやついるか?

いかにも悪役でございといった口調と態度で「救う会」をなじる。
救う会の活動の大変さを描いたシークエンスならこんな支離滅裂な主張をさせる必要がない。わざわざ言わせたのだ。
「なんでも差別、差別、と言って邪魔してくる左翼」という演出だろうか。開始5分でクラクラさせられる。

もうひとつ。めぐみに向かって北朝鮮の指導が入る。指導官は慰安婦の強制連行の話を出し「日本政府は土下座して謝罪しろ!賠償金を払わなければならないのだ!」と激昂する

その直後、この映画は指導官に、強制連行は作り話であるかのような話をわざわざ朝鮮語でさせている。

そう、この映画は強制連行否定論者のための映画なのだ。北朝鮮は強制連行をでっちあげて賠償金をせしめようとしていると言いたいのだ。
拉致被害者の悲劇を使って、こういう主張を織り交ぜてくる。正直、気味が悪い。出演者はこのことに納得しているんでしょうか?

映画が始まる前に「この映画は事実を基に創られた物語である」と出ます。強制連行のでっちあげの部分は事実ですかね?物語(フィクション)ですかね?

おまけ
エンドクレジットにはすみとしこ発見。探せばまだ出てくるんだろうけど、105分で気力が削られて無理ぽ

https://twitter.com/tism06235734/status/1416492272871301121?s=21
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