この痺れるラストは原作からの大きな改変。と言っても結論や原作の持つ魅力を変えたわけではない。原作の出来事の前後入れ替えただけで、原作の持つ要素や魅力をそのまま高めてみせた素晴らしい脚色だ。
Xとは誰>>続きを読む
見方を少し変えるとデビット・フィンチャー『ザ・キラー』のようにも見えてくるほどオッペンハイマーを「欠点だらけの人間」として描いていて、見たあとの感想会で彼の迂闊ぶりを反芻し合うのがとても楽しかった。>>続きを読む
思春期引越し映画に初潮を絡めた今っぽい秀作。『私どきどきレッサーパンダ』を彷彿させるテーマだが、ファンタジー要素のない今作の方が生々しいし、そこにキリスト教とユダヤ教の対立も絡んでくるところがこの映画>>続きを読む
予告ではわからなかったけど、持たざる者たちの成功譚というよりこれはバディムービーと言った方がいいかも。
モータースポーツのプロを目指すにはものすごいお金がかかるというのは有名な話。金持ちvsシミュレ>>続きを読む
堂々の完結編。
『上の句』はチーム結成と副部長の話(実質は机くんの話)、『下の句』はライバル新の話とチームの成長を重ねて描いた。それがいよいよ頂点で決戦となる話なんだけど、並行して個人戦も描かれるの>>続きを読む
差別属性側に阿った禊ぎのためのエンタメ作品という指摘が鋭い。
被差別者を描いた作品は女性やLGBTQ、障がいと増えてきているけど、作品の出来に対して過剰な賞賛がついてくるものもあって気になっています>>続きを読む
新キャラクターに松岡茉優を迎えて役者の顔ぶれに華が出た2作目。
前作は個人の成長を軸にチームが誕生するまでを描いた。今作はそのチームの成長を軸にして、それが周囲に波及していく、またもや王道の青春部活>>続きを読む
広瀬すずのアイドル映画とあなどるなかれ。王道の青春部活映画として2010年代を代表するような傑作と言っていいのでは。
シリーズ1作目としては部長である太一の話という結論にはなっているけど、なんと言っ>>続きを読む
バイオレンスクライムコメディ!!
こういうの大好き!
マ・ドンソクの張り手一発で雑魚が吹っ飛んで失神してしまうのに、切られれば切断するし刺されれば死ぬという絶妙なフィクションラインの組み合わせが楽>>続きを読む
「スラムの人間は生まれながらの嘘つき」などと差別発言でわめく陪審員に対し、11人が席から1人立ち、2人立ち、背を向け、ナナメに座り直して抗議を示すシーンはとても舞台演劇的。
それに対して、すでに覆っ>>続きを読む
無機質とも思えるほど無駄を削ぎ落とした作品舞台の説明がサクサクと進んでいくのに、最後にはエモーショナルな感動を巻き起こすイーストウッドマジック。どうやってるんだ。摩訶不思議。
試合会場外のゴミ拾いの>>続きを読む
おお…最後に泣かされるとは思わなかった!
3カ国の僻地で教える3人の先生のドキュメンタリー。
ブルキナファソでは5つの言語が飛び交う50人の小学一年生にフランス語を教える
シベリアでは遊牧民にロ>>続きを読む
メンタルヘルスをテーマにセルフケア、セルフラブを描いた実にZ世代的な映画だ。
Z世代とはを解説した名著、竹田ダニエル著『世界と私のA to Z』の第一章がまさにこの映画そのもの。出世や稼ぎよりも好き>>続きを読む
タイカ・ワイティティ監督が『がんばれベアーズ』に『ベストキッド』を添えたなんて僕が好きじゃないはずがない。
相変わらずのバカすぎるギャグセンスは人を選ぶはずで、広く見られるべき題材の今作ではやや抑え>>続きを読む
タイトルが出るタイミング、カッコよすぎでしょ!痺れた!
時速80キロを下回ると爆発する爆弾という設定が絶妙。自動ブレーキという当時の最新安全システムが反転して足かせになって効いてくるし、必ず終点に到>>続きを読む
権威や伝統に無頓着な天才モーツァルトの才能に気がついてしまったサリエリは、危機感と嫉妬を感じながらどうしても惹かれてしまう。このことがフランス革命直前の時代と重ねられた傑作。
モーツァルトの圧倒的な>>続きを読む
『ベイビーわるきゅーれ』大ファンだし、阪元監督初期作見てもわりと好きだし、伊能昌幸もすごく好きなんだけど、評判のいいこれがなぜかハマらなかった。悲しい。
ノレないのは僕がYouTubeを一切見ないと>>続きを読む
「どうして俺が!」と不幸に巻き込まれる人を見るのは楽しいもので、映画でもテレビでもYouTubeでも、90年代でも2024年でも変わらない娯楽フォーマットのひとつですな。
主人公が死なないことは保証>>続きを読む
紹介するまでもない映画なので個人的な思い出を書きますが、ダイハードは僕が映画を好きになるきっかけになった作品です。
公開当時に見たわけでも、テレビで繰り返しやっていた90年代に見たわけでもなく、つい>>続きを読む
「聞く人を感動させる歌」を映画の中で実際に歌わせるのは相当に困難なことで、これができてしまっている映画としてこれからも長く見続けられる作品になったと思う。
ライブ映画やファンムービーならまだしも、歌>>続きを読む
学生の頃から変わらない男が、すっかり大人になって街を出た仲間と再開して呆れられる話。
1件目のパブ。「変わらないなあ」と言ったもののチェーン店化が進み均質化。2件目と内装が変わらない。実は街を出る前>>続きを読む
サイモン・ペッグ&ニック・フロスト、アメリカに行く。
『ショーン・オブ・ザ・デッド』にしろ『ホット・ファズ』にしろゾンビやポリスアクションというアメリカンカルチャーへの憧れがネタになっていて、それが>>続きを読む
この映画をIMAXで見られてよかった!
初見なので映像の比較はできなかったが、音響はどうやったってわかる。おそらく客席最前列付近のポジションでセッティングされていて、バンドの音は前方上めから。客席の>>続きを読む
持たざる者たちの逆襲ストーリー!
数字の世界で、巨大な資本を相手に精神力で繋がった他人同士の団結力で立ち向かう!舞台が株というだけで構造自体は単純明快。なんなら勧善懲悪に近いと言っていいほど単純です>>続きを読む
大好き。
サイモン・ペッグ&ニック・フロストがパブに行く映画をエドガー・ライトが撮ったらガード不能なので仕方がない。
ゾンビ映画パロディの今作、ここからポリスアクション『ホットファズ』に繋がってジ>>続きを読む
大人の女性を都合よく幼児扱いする男どもに、本当に頭が幼児の大人の女性を突きつける怪作だ。
大人の社交性やセックスを求めながら自由を奪い束縛し、マンスプレイニングで悦に入る。そんな男の我儘こそ幼児的に>>続きを読む
とてつもない映画だ。
教育を軸に、子どもたちの心の機微と当時の生活から戦争を浮かび上がらせる。それにとどまらず、子どもたちの内面をそれぞれの独創性で表現したパートにアニメーションを見る喜びまで用意し>>続きを読む
僕が見たい映画ってこれのこと!!
カットをバシバシ割ってカッコよく説明を省略しつつそれがテンポのいいギャグとしても機能させているし、そこにサンプリング的に挟み込まれるUKロック!ポリスアクション映画>>続きを読む
災害による終末の世界で、ただひとつ残ったアパートとその住民、アパート外の人との軋轢を描いたサバイバルディストピアムービー。偶然とはいえ能登半島地震後に見るには刺激が強すぎる。
『EXIT』(2019>>続きを読む
悶絶。
死ぬかと思った。
全方位をバカにしながらそのくせ自分には何も無い。一段高いところから人を評価することでしか立っていられない。その足場がひとつ、またひとつと外れていく様はもはやスリラー。あまり>>続きを読む
カーオーディオにカセットテープ。背景にはスカイツリー。ETC車載器の音。平山はプレイヤーをわざわざつけたのだ。
毎日、同じルーティンを繰り返し、変わらない日々を過ごそうとする強い意志。しかしETCを>>続きを読む
これだけの豪華アクションスターを一度に見られるのですから、お話なんてもうどうでもいいのです。とにかく悪い集団とムカつくボスがいて、スタローンたちがいたら成立です。ですから中身の無さや、脚本のアラをつつ>>続きを読む
1955年、白人女性に口笛を吹いたというだけの理由で14歳の黒人の少年がリンチ殺人されたという実際にあったエメット・ティル殺害事件を映画化。
遺体を見る母、葬式で遺体を見る参列者の演技は壮絶で、こち>>続きを読む
「初期位置ここなんで」
「次のターンで!」
映画ではおよそ聞き慣れないセリフがポイントで、登場人物同士が同じ体験を共有することで新しい言葉の意味が生まれる瞬間が本当に楽しい。僕ら観客も全く同じ体験を>>続きを読む
ここ何年か、政治や選挙のドキュメンタリー映画が何本も公開されて、政治への関心の高まりを感じる。
わけてもこの作品は安倍晋三銃撃という、政治に関心のない人も含めて日本中が知っている大事件を受けて、国民>>続きを読む
ラストの切れ味!!
勝利のロジックという、落ちこぼれ少年たちの自己実現映画として最重要部分が抜けているにも関わらず、このラストを見てしまうと高得点をつけてしまう。素晴らしい切れ味。アウトロで続きやらな>>続きを読む